トランプ大統領の関税政策転換で市場急変、ニューヨーク株価急騰・円安進む

■ダウ平均7.9%高の4万ドル台回復、為替市場では3円超の円安

 2025年4月9日、トランプ大統領は突如として関税政策の大幅な転換を発表した。中国を除く「75カ国以上」に対する「互恵」関税を90日間一時停止し、税率を10%まで引き下げるとしたのだ。この発表は市場を大きく揺さぶることとなった。

 ニューヨーク市場では、取引開始直後に貿易戦争激化への懸念から株価が大幅に下落したが、関税一時停止の発表を受け急速に値を戻した。ダウ平均株価は前日比7.9%高の40,608.45ドルと4万ドル台を回復。S&P500は9.5%高、ナスダック総合指数も12.2%という驚異的な上昇を記録した。一方、欧州市場はトランプ大統領の発表前に取引を終えたため軒並み下落。前日の日経平均株価は3.93%安の31,714.03で取引を終えた。本日6時現在、日経225先物は10.08%高(3,210円高)の35,040円と急騰しており、本日の日経平均株価は急伸が予想される。

 外国為替市場では、トランプ大統領の政策転換発表を受け、対ドル円相場が一時1ドル=148円台に急落。1時間程度の間に3円以上の円安が進んだ。これは市場が貿易緊張の緩和の兆しとして政策転換を解釈し、リスク回避姿勢が後退したためと考えられる。その他の通貨ペアも関税一時停止の発表を受けて変動が見られた。

 しかし、この政策転換にも注意点がある。中国からの輸入品に対する関税は一時停止の対象外とされ、逆に税率が125%に引き上げられた。また90日後には関税が再開される可能性も残されており、米国および世界経済に不確実性をもたらしている。今回の出来事は、貿易政策が市場心理に与える影響の大きさを改めて示し、今後の米国の貿易政策と世界経済の動向を注視する必要性を示唆している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■AI機能強化でさらに便利に!Siriの進化とChatGPT統合で作業効率向上  Appleは3月…
  2. ■ChatGPT Enterpriseを活用し、業務効率化と新たな価値創造を推進  ふくおかフィナ…
  3. ■2024年度の美容室倒産件数、前年を大幅に上回る197件  帝国データバンクの調査によると、20…
2025年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

ピックアップ記事

  1. ■株価55%高もまだ割安!?記念優待利回り10%超の注目株  10日には米国の関税発動停止を受け、…
  2. ■一喜一憂の投資家心理、トランプ関税「一時停止」の罠  まずフェイクニュースかと目と耳を疑った。次…
  3. ■脱炭素とデジタル革新:万博から広がるビジネスチャンス  本日2025年4月13日に開幕した大阪・…
  4. ■関税不安の裏で進む金市場の静かな熱気  トランプ関税による世界同時不況懸念が強まり、金先物価格が…
  5. ■トランプ政権の暴走がもたらすリスク回避の波  こんな言い方をしたら今の若い市場参加者の方々にはイ…
  6. ■関税応酬が金融市場を直撃!パンデミック以来の暴落規模に  2025年4月4日、ニューヨーク株式市…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る