テラスカイの子会社Quemix、量子コンピュータ実用化に向け5.5億円を調達

■FTQC対応アルゴリズム開発を加速、2028年の社会実装を目指す

 テラスカイ<3915>(東証プライム)の子会社で、量子コンピュータのアルゴリズム・ソフトウェアの研究開発を行うQuemixは4月11日、SCSK、みずほキャピタル、未来創造キャピタル、テラスカイなどからシリーズBラウンドとして総額5.5億円の資金調達を実施したと発表。今回の第三者割当増資により、同社の累計資金調達額は8.5億円に達した。Quemixは、量子コンピュータの社会実装を視野に入れた研究開発体制をさらに強化し、今後の商用化に向けた取り組みを本格化させる。

 この資金調達の背景には、AI、自動運転、電気自動車といった先端技術の発展に伴い、より高性能な素材の開発ニーズが高まっている現状がある。そうした中で、計算化学やコンピュータシミュレーションを活用するマテリアルズ・インフォマティクス(MI)が注目されており、次世代の計算プラットフォームである量子コンピュータが材料計算の分野でも大きな役割を果たすと期待されている。特に誤り耐性量子コンピュータ(FTQC)の実現に向けた動きが2024年を転換点として加速しており、世界的に研究投資が進んでいる。

 Quemixは、2019年にテラスカイの連結子会社として設立され、代表の松下雄一郎が主導する形で量子センサや材料計算などの先進研究を展開している。同社はFTQCに特化したアルゴリズム開発を推進しており、2023年には量子化学計算アルゴリズム「確率的虚時間発展法(PITE®)」を開発し、特許を取得した実績を持つ。国内におけるFTQCアルゴリズム研究の先駆者として、Quemixは2028年を目標に量子コンピュータの材料計算領域での実用化を目指し、今後も研究開発投資を拡大していく構えである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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