【株式市場特集】連続高値更新の裏に「割安」高配当株!不動産流動化セクターを徹底解剖

■株価55%高もまだ割安!?記念優待利回り10%超の注目株

 10日には米国の関税発動停止を受け、日経平均株価が過去2番目の上昇幅を記録し、東証プライム市場の99%が上昇、ストップ高銘柄は24、年初来高値更新は76銘柄に達した。翌11日は米中貿易摩擦の激化懸念で1203円安と急落したが、ストップ高銘柄9、年初来高値更新88と底堅さも見せた。両日連続で年初来高値を更新した40銘柄は、不動産流動化や消費関連などの有望分野に集中。安定的なバリュー株を含むこの銘柄群が、堅調な相場形成の主役となる可能性がある。

■連続の年初来高値更新もなお低PERで高配当利回りの銘柄揃い

 10日、11日と連続して年初来高値を更新した不動産流動化関連の代表株は、グッドコムアセット<3475>(東証プライム)である。法人、個人投資家に投資用マンションを販売する同社株は、今10月期純利益が、連続して過去最高純利益更新予想と業績が好調で配当も年間45円に連続増配を予定している。これに加えて今年4月3日には東証・名証に次に福証本則市場にも重複上場し、上場記念の株主優待制度も実施する。PERは9倍で記念優待制度込みの総合配当利回りは、10%を上回るだけに、株価は記念優待制度発表からわずか1週間で55%高しており、なお上値評価の期待が高い。

 このほか不動産流動化関連株で前週末11日に逆行高した銘柄は、コード番号順にスター・マイカ・ホールディングス<2975>(東証プライム)、LAホールディングス<2986>(東証グロース)、アンビションDXホールディングス<3300>(東証グロース)、ロードスターキャピタル<3482>(東証プライム)、プロパティ データバンク<4389>(東証グロース)と続く。PERはプロパティDBが16倍のほかは、5倍~8倍と割安で配当利回りも高く、今6月期に上場10周年記念配当50円を上乗せし年間105円(前期実績37円)の大幅連続増配を予定しているアンビションDXの配当利回りは5.25%にもなる。

■現金給付、減税、補正予算編成の検討が進めば消費関連株の高PER問題も解消

 消費関連株は、前週末11日にスギホールディングス<7649>(東証プライム)が連続2ケタ増益予想の2月期決算を発表し、さらにイオン<8267>(東証プライム)が、引けあとにドラッグストア事業の再編を発表予定と伝えられてドラッグストア株が軒並み高となった。実際にイオンは、ツルハホールディングス<3391>(東証プライム)とウエルシアホールディングス<3141>(東証プライム)の経営統合とツルハHDへの株式公開買い付け(TOBを発表しており、週明けも延長戦が続く可能性が強い。ドラッグストア株以外にも10日、11日と連続して年初来高値を更新した銘柄は多く、その代表株は、4月8日に市場予想を上回る2月期決算を発表してわずか3営業日で500超円棒上げしたパルグループホールディングス<2726>(東証プライム)だろう。

 同社株以外にも連日、年初来高値を更新した銘柄は多くコード番号順にあげるとセリア<2782>(東証スタンダード)、やまみ<2820>(東証スタンダード)、神戸物産<3038>(東証プライム)、ジンズホールディングス<3046>(東証プライム)、トレジャー・ファクトリー<3093>(東証プライム)、ワークマン<7564>(東証スタンダード)、コロワイド<7616>(東証プライム)、丸井グループ<8252>(東証プライム)、平和堂<8276>(東証プライム)、ヤオコー<8279>(東証プライム)などとなる。PER評価が市場平均を上回る銘柄が大半だが、石破内閣で検討を始めた現金給付や減税、補正予算編成が実現すればカバーしてくれる展開も想定される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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