エスプールは25年11月期1Q大幅営業増益と順調
- 2025/4/14 09:05
- 決算発表記事情報

エスプール<2471>(東証プライム)は4月11日に25年11月期第1四半期連結業績を発表した。計画を上回る大幅営業増益と順調だった。障がい者雇用支援サービスの成長が牽引した。そして通期の2桁営業増益予想を据え置いた。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、その後は目先的な売りが一巡して反発の動きを強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。
■25年11月期1Qは計画を上回る大幅営業増益と順調
25年11月期第1四半期の連結業績は、売上収益が前年同期比8.1%増の61億31百万円、営業利益が10.1倍の2億61百万円、親会社所有者帰属四半期利益が62.4%減の98百万円だった。計画を上回る大幅営業増益と順調だった。障がい者雇用支援サービスの成長が牽引した。
セグメント別(内部取引、全社費用等調整前)に見ると、ビジネスソリューション事業は売上収益が30.5%増の36億89百万円、営業利益が3.1倍5億52百万円だった。
障がい者雇用支援サービスの売上収益は36.5%増の21億18百万円だった。設備販売が前期からの期ズレも寄与して大幅に増加したことに加え、管理収入の積み上げも順調だった。農園新設は1農園、設備販売は312区画、期末時点の顧客数は683社、農園数は54農園、管理区画は9061区画、就労者数は4531名(定着率92%)となった。
広域行政BPOサービスの売上収益は13.0%減の2億28百万円だった。定額減税関連の国策案件が終了したため減収だが、計画を上回った。また下期に向けた案件の積み上げも順調だった。環境経営支援サービスの売上収益は89.5%増の3億37百万円だった。カーボンクレジットの大口販売が売上を押し上げた。下期偏重となるコンサルティング案件の受注も好調だった。
ロジスティクスアウトソーシングサービスの売上収益は5.0%増の3億23百万円だった。主要顧客の売上増などにより2期ぶりに増収に転換した。セールスサポートサービスの売上収益は53.0%増の3億37百万円だった。大手メーカーからの大規模キャンペーンの受託が拡大した。採用支援サービス(OMUSUBI)の売上収益は10.9%増の1億86百万円だった。既存顧客の新店開設効果などにより、応募受付・面接代行業務が順調に増加した。
人材ソリューション事業は、売上収益が13.6%減の24億64百万円、営業利益が37.1%減の1億61百万円だった。主力のコールセンター業務の売上収益は15.1%減の19億38百万円だった。需要は回復傾向だが、スタッフの採用難により機会損失が発生した。販売支援の売上収益は42.8%減の2億10百万円だった。なお施工管理技士の人材派遣サービス拡大に向けて自社求人サイトを開設した。
通期連結業績予想は据え置いて、売上収益が24年11月期比5.0%増の268億28百万円、営業利益が10.4%増の30億74百万円、親会社所有者帰属当期利益が9.2%減の19億07百万円としている。配当予想は24年11月期と同額の10円(期末一括)としている。予想配当性向は41.1%となる。
セグメント別(内部取引、全社費用等調整前)に見ると、ビジネスソリューション事業は売上高が12.6%増の169億08百万円、営業利益が14.3%増の42億29百万円としている。売上高の内訳は障がい者雇用支援サービスが12.0%増の90億円、広域行政BPOサービスが16.2%増の17億50百万円、環境経営支援サービスが15.5%増の18億40百万円、ロジスティクスアウトソーシングサービスが3.8%減の12億80百万円、採用支援サービス(OMUSUBI)が11.1%増の8億75百万円、セールスサポートサービスが22.6%増の14億30百万円としている。
障がい者雇用支援サービスの農園開設は6農園、設備販売は1300区画の計画である。26年より農園の全国展開を目指すが、当面は既存農園の欠員補充対策(採用強化・退職抑制)を優先するため販売を一時的に抑制する。広域行政BPOサービスは下期偏重の計画(上期5億円、下期12.5億円)である。環境経営支援サービスは主要サービスの納品が第3四半期に集中する見込みだ。ロジスティクスアウトソーシングサービスは収益改善に向けて抜本的な立て直しに取り組む。採用支援サービス(OMUSUBI)は新規顧客獲得や既存顧客へのクロスセルを推進する。セールスサポートサービスは主要顧客との取引拡大やベルシステム24との協業拡大を推進する。
人材ソリューション事業は売上高が4.9%減の101億円、営業利益が8.3%減の7億95百万円の計画としている。コールセンター派遣の回復に向けてサービスの差別化に取り組む。売上高の内訳はコールセンター業務が2.1%減の84億円、販売支援が26.2%減の9億円、その他が2.1%減の8億円の計画としている。
25年11月期は2桁営業増益予想としている。第1四半期が計画を上回る大幅営業増益と順調だった。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は反発の動き
株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、その後は目先的な売りが一巡して反発の動きを強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。4月11日の終値は289円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS24円35銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の10円で算出)は約3.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS124円51銭で算出)は約2.3倍、そして時価総額は約228億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)