アイデミー、営業損益は第1四半期をボトムとして回復基調、通期予想に上振れ余地
- 2025/4/14 09:06
- 決算発表記事情報

アイデミー<5577>(東証グロース)は4月11日に25年5月期第3四半期累計連結業績を発表した。生成AIの急速な進展による受注先送り、成長に向けたM&A・人材投資などで大幅減益だった。通期の赤字予想(2月14日付で下方修正)を据え置いた。ただし営業損益は第1四半期をボトムとして回復基調であり、通期予想に上振れ余地がありそうだ。さらに積極的な事業展開で26年5月期の収益回復を期待したい。株価は地合い悪化の影響で安値を更新したが売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。
■25年5月期3Q累計減益、通期赤字予想据え置き
25年5月期第3四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比0.8%減の15億76百万円、営業利益が79.7%減の53百万円、経常利益が79.1%減の54百万円、親会社株主帰属四半期純利益が100.0%減の0百万円だった。
生成AIの急速な進展による受注先送りなどで売上高が伸び悩み、成長に向けた人材投資なども影響して大幅減益だった。EBITDA(営業利益+償却費+のれん償却費+株式関連取得費用)は45.1%減の1億45百万円だった。
サービス別売上高は、法人向けAI/DXプロダクト事業が5.7%減の9億18百万円、AI/DXソリューション事業が20.8%増の4億87百万円、個人向けAI/DXリスキリング事業が19.0%減の1億70百万円だった。AI/DXプロダクト事業は教育が一巡した一部企業の解約の影響などで減収だった。AI/DXソリューション事業はM&A効果で増収だった。AI/DXリスキリング事業は競合環境変化などで減収だった。
全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が5億27百万円で営業利益が27百万円の損失、第2四半期は売上高が5億18百万円で営業利益が10百万円、第3四半期は売上高が5億31百万円で営業利益が70百万円だった。営業利益はコスト削減等により、第1四半期をボトムとして回復基調である。
通期連結業績予想(2月14日付で下方修正)は据え置いて、売上高が24年5月期比8.9%減の19億30百万円、営業利益が1億10百万円の損失(24年5月期は2億94百万円)、経常利益が1億10百万円の損失(同2億90百万円)、親会社株主帰属当期純利益が1億50百万円の損失(同2億15百万円)としている。
e―learning市場の競争激化や生成AIの急速な進化という市場環境の変化に対して、戦略的判断の遅れや組織体制の整備不足などにより受注が伸び悩む見込みだ。今後は事業構造転換に向けて、AI/DXプロダクトを通じて得た強みを活かし、e―learning市場から成長余地の大きいAI開発市場へのシフトを加速する。なお下方修正の責任を明確にするため、役員報酬の減額(25年3月から6ヶ月間)を実施している。
通期の赤字予想を据え置いたが、営業損益は第1四半期をボトムとして回復基調であり、通期予想に上振れ余地がありそうだ。さらに積極的な事業展開で26年5月期の収益回復を期待したい。
■株価は売り一巡
株価は地合い悪化の影響で安値を更新したが売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。4月11日の終値は544円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS294円21銭で算出)は約1.8倍、そして時価総額は約22億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)