アステナホールディングスは25年11月期1Q大幅増益、通期上振れの可能性
- 2025/4/14 09:07
- 決算発表記事情報

アステナホールディングス<8095>(東証プライム)は、4月11日に25年11月期第1四半期連結業績を発表した。増収・大幅増益で着地した。HBC・食品事業や医薬事業の好調が牽引した。通期営業・経常減益予想を据え置いたが上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響で年初来安値を更新したが、その後は売り一巡して反発の動きを強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRなども支援材料であり、戻りを試す展開を期待したい。
■25年11月期1Q大幅増益、通期営業・経常減益予想だが上振れの可能性
25年11月期第1四半期の連結業績は売上高が前年同期比6.8%増の143億34百万円、営業利益が2.3倍の10億32百万円、経常利益が2.2倍の10億42百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2.0倍の5億05百万円だった。
増収・大幅増益で着地した。ファインケミカル事業において受託製造・自社製品が伸長したほか、HBC・食品事業において輸入化粧品の販売が好調だった。
ファインケミカル事業は売上高(外部顧客への売上高)が1.9%増の56億14百万円、営業利益(全社費用等調整前)が5.2倍の3億65百万円だった。全体としての売上高は小幅増収にとどまったが、医薬品CDMO(医薬品開発製造受託)部門で受託製造、自社品製造とも好調に推移した。
HBC・食品事業は売上高が23.3%増の36億74百万円、営業利益が3.3倍の2億08百万円だった。化粧品製販部門で輸入化粧品「Torriden」の販売が好調だったほか、化粧品原料部門で顧客対応力や営業効率が向上したことなども寄与した。
医薬事業は売上高が17.8%増の28億27百万円、営業利益が2.0倍の3億55百万円だった。医薬品部門で抗真菌薬ルリコナゾール軟膏・クリームが好調だったほか、美容医療部門では医療機関向け「NAVISION DR」シリーズなどが好調だった。
化学品事業は、売上高が12.7%減の22億09百万円、営業利益が0.1%減の1億35百万円だった。表面処理設備部門は堅調だったが、表面処理薬品部門が韓国・台湾・中国の需要回復遅れの影響を受けた。
その他事業(人材事業、ふるさと納税事業、投資事業等の新規事業)は、売上高が86.8%増の8百万円、営業利益が57百万円の損失(前年同期は29百万円の損失)だった。
通期の連結業績予想は据え置いて売上高が24年11月期比8.6%増の630億円、営業利益が29.0%減の20億円、経常利益が28.7%減の20億円、親会社株主帰属当期純利益が減損損失一巡で11億円(24年11月期は25億25百万円の損失)としている。配当予想は24年11月期と同額の18円(第2四半期末9円、期末9円)としている。予想配当性向は65.9%となる。
25年11月期は不透明感等を考慮して営業・経常減益予想としている。第1四半期の進捗率は売上高が23%、営業利益が52%、経常利益が52%、親会社株主帰属当期純利益が46%と高水準だったが、第2四半期は研究開発費、人件費、広告宣伝費等の増加により、第1四半期に比べて利益水準が低下する見込みとしている。ただし通期会社予想に上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は戻り試す
株価は地合い悪化の影響で年初来安値を更新したが、その後は売り一巡して反発の動きを強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRなども支援材料であり、戻りを試す展開を期待したい。4月11日の終値は434円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS27円33銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の18円で算出)は約4.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS624円60銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約178億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)