
■4カ国対象の調査で浮き彫りとなった日本の遅れと課題
アウンコンサルティング<2459>(東証スタンダード)は、アメリカ、中国、シンガポール、日本の4カ国を対象に、生成AIツールの利用状況と検索におけるAI活用の実態を調査した。その結果、最も利用されている生成AIツールは「ChatGPT」であり、特にシンガポールでは圧倒的な普及率を示した。一方、日本では利用率が最も低く、生成AIの信頼度も4カ国中で最下位という結果となった。中国では「Deep Seek」の利用が顕著で、同国独自の傾向がうかがえる。各国共通の課題としては、AIの信頼性や正確性への懸念が挙げられたが、多くの利用者はリスクを理解した上で活用していることが明らかになった。
調査では「AI概要(AI Overviews)」に対する信頼度と利用方法にも国ごとの違いが見られた。日本では「信頼していない」との回答が最も多く、「概要は使わず自然検索結果を見る」との回答が主流である。一方、アメリカやシンガポールでは、概要を読んだ上でリンクを確認する利用スタイルが一般的であった。信頼の判断を「熟読の上で行う」とする回答も多く、検索行動の高度化が進んでいる様子がうかがえる。また、AIツール利用時の課題としては、正確性と信頼性が引き続き重要視されている。
今後、AI概要の信頼度向上により検索がAI上で完結する「ゼロクリック検索」の増加が予想される。そのため、従来のSEO対策とは異なる、AI最適化を前提とした戦略の再構築が求められている。アウンコンサルティングはこの動きに対応すべく、2025年4月より新サービス「AIOリサーチ」の提供を開始した。AI概要への対応を強化するこのサービスでは、国別に多言語対応の検索結果を分析し、グローバルなマーケティング戦略を支援する。刻々と変化する検索環境に対し、柔軟かつ精緻な対応が今後の競争力を左右することになる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)