【株式市場特集】年初来安値更新銘柄の決算に注目、リターン・リバーサルに期待
- 2025/4/28 08:15
- 特集

■スタンレー電気など年初来安値銘柄の業績見通しに焦点
日経平均株価が4月に大幅下落する中、年初来安値を更新した深押し銘柄に着目する。特に4月7日と9日に大きく売られた銘柄は「リターン・リバーサル」による反発が期待できる。フアナック、航空電子、決算発表後に業績ガイダンスを未定としたスタンレー電気などが注目対象だ。また、株安時に逆行高となった9銘柄も、相場持ち直し局面で売られているが下値保障の観点から注目に値する。これら計251銘柄の決算動向を追跡することが重要となる。
■まず連休の谷間に決算発表予定の7銘柄に注目し一段安の2銘柄も浮上期待
4月9日に年初来安値に売られた深押し株で、大型連休中に決算発表を予定しているのは、7銘柄でコード番号順に列記すると大塚商会<4768>(東証プライム)、TOTO<5332>(東証プライム)、牧野フライス<6135>(東証プライム)、マブチモーター<6592>(東証プライム)、村田製作所<6981>(東証プライム)、HOYA<7741>(東証プライム)、北陸電力<9505>(東証プライム)となる。決算発表時にどのような業績ガイダンスを出すか注目されるが、合わせてファナックと同様に自己株式取得などの株主還元策もポイントとなる。これに加えて4月11日、21日に年初来安値更新した一段安銘柄では、ZOZO<3092>(東証プライム)が4月30日、セイコーエプソン<6724>(東証プライム)が5月1日にそれぞれ決算発表を予定している。
このうち村田製作所の深押しは、政策保有株売却に対応した海外株式売出し(売出し価格2309円)による需給悪化の後遺症によるもので、2025年3月期業績は、増収増益ペースで推移してきただけに業績ガイダンス期待は高い。HOYAは、独自の業績開示方法を続けているが、今年3月26日には今年2月に発表した自己株式取得を終了しており、アンコールの可能性もありそうだ。牧野フライスは、ニデック<6594>(東証プライム)の敵対TOB(株式公開買い付け)へ防戦中であり、業績ガイダンスもこの一環となってくる。このほか大塚商会とマブチモーターは、今12月期の第1四半期決算を発表予定であり、いずれも増益予想の通期業績に変更はないか確認することになる。また一段安のZOZOは、株式分割の権利を落としたあとの安値であり、セイコーエプソンは、証券各社の目標株価の引き下げが要因となっており、これをハネ返す業績ガイダンスや株主還元策があるのかないのか要注目となる。
■相互関税の90日間の一時停止明け後の万が一に備え年初来高値9銘柄にも待機余地
一方、4月7日、9日に年初来高値を更新し世界同時株安に逆行高した9銘柄は、コード番号順にパルグループホールディングス<2726>(東証プライム)、ニチレイ<2871>(東証プライム)、神戸物産<3038>(東証プライム)、ツルハホールディングス<3391>(東証プライム)、グッドコムアセット<3475>(東証プライム)、スターゼン<8043>(東証プライム)、日本瓦斯<8174>(東証プライム)、アクシアル リテイリング<8255>(東証プライム)、三井倉庫ホールディングス<9302>(東証プライム)、GMOインターネットグループ<9449>(東証プライム)となる。
いずれもディフェンシブ系で「トランプ・リスク」の圏外に位置する好業績の発表や円高メリット期待、食品価格の高騰などが高値追いのカタリスト(株価材料)となった。その後は、「トリプル安」一巡に伴うハイテク株の持ち直しとともに乗り換えの売り物や利益確定売りも集中して高値調整を余儀なくされている。ただトランプ大統領が、一時停止としている相互関税の90日間が経過したあとまたどんな「ディール」が待ち受けているかはまだまだ不透明化する可能性もあり、万が一にも備えた逆張りも一考余地がありそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)