
■診断薬と機器の生産機能を併せ持つグループ初の拠点
シスメックス<6869>(東証プライム)は4月28日、インド・グジャラート州に建設した新生産拠点が本格稼働を開始したと発表した。新拠点では、グループ初となる診断薬と機器の双方を生産する体制を整え、インド市場向けに「XQ-320」の現地量産を開始した。XQ-320はコンパクトながら高性能な白血球3分類モデルであり、主に中小規模の医療機関向け製品として公共調達を見据えた生産体制が整えられている。現地サプライヤーの選定と人材育成にも力を注ぎ、シスメックス品質の担保を図った。
インド政府のMake in India政策に呼応し、シスメックスは現地生産・現地部材組み入れという公共調達資格要件を満たす製品供給体制を確立した。これにより、インド市場におけるシェア拡大と将来的な白血球5分類モデルへのアップグレード需要に対応する基盤を構築した。新拠点は延べ床面積10,600平方メートル、投資総額約30億円規模であり、診断薬生産能力は既存施設比約4倍に達する見込みである。
さらに、同拠点には排水を敷地外に出さないゼロリキッドディスチャージシステムを導入し、環境負荷低減に取り組んでいる。これらを通じて、インド市場向け製品の安定供給体制を強化し、顧客満足度の向上と事業展開の加速を目指す。シスメックスは今後も世界中に安定した製品供給を行うべく、生産体制の整備を推進していく方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)