インフォコムとリゾートソリューションはグローバル展開企業のメンタルヘルスケアを協働してサポート
■従業員のメンタルヘルスの問題は単なる健康問題の枠を超えた経営リスク
インフォコム<4348>(JQS)とリゾートソリューション(以下、リソル)<5261>(東1)は17日、インフォコムが提供する「メンタルヘルス管理クラウドサービス」を、リソルが展開する福利厚生サービスにおける重点メニューとして導入し、グローバル展開企業のメンタルヘルスケアを協働してサポートすることを発表した。
2015年12月より実施となるストレスチェックの義務化を前に、多くの企業でメンタルヘルス対策の導入が検討されているが、一方で海外駐在員やその帯同家族については、国内従業員以上に高ストレス環境下に置かれているにも関わらず、面談ケアを伴う対策の実施には高いコストを要することなどが原因となり、各社とも拡充策を取りづらいのが実情である。
インフォコムが提供する「メンタルヘルス管理クラウドサービス」は、インターネット接続環境においてセキュアな面談環境を実現するとともに、予約から結果報告まで面談進捗をワンストップで管理。併せて、産業保健師の常駐するコールセンターに面談ケアまでフォローする。
福利厚生メンバーシップサービス「ライフサポート倶楽部」を全国展開するリソルは、「メンタルヘルス管理クラウドサービス」を「リソル健康経営サポートプログラム」の重点メニューとして導入するとともに、グローバル化が一層進展する会員各企業に向けてメンタルヘルスケア・サポート営業を強化する。
この両社が、グローバル展開企業のメンタルヘルスケアを協働してサポートする背景には、従業員のメンタルヘルスの問題は単なる健康問題の枠を超えた経営リスクとしてとらえられている点にある。2010年には、厚生労働省が「メンタルヘルス問題による社会的損失はおおよそ2兆7千億円」と、また、内閣府が「メンタルヘルス休職者1名あたりの経済的損失は422万円」と公表している。
このような背景から、企業等におけるメンタルヘルス対策整備が急務とされ、労働安全衛生法の改正により国内企業に対して2015年12月から「ストレスチェックと面接指導の実施」を義務付けられた。
しかし、「面接指導」が義務付けられることから、企業等における取組みでは人的工数やコスト感などが課題となると見込まれている。とりわけ、日本企業の海外進出が加速する中で、日本とは異なる環境下に置かれている海外駐在員や、その帯同家族の方のストレスや体調への配慮も課題となっている。
今回の協業は、インフォコムの「メンタルヘルス管理クラウドサービス」をリソルが展開する福利厚生メンバーシップサービス「ライフサポート倶楽部」のメニューとして提供することで、企業のメンタルヘルス対策を強化するもの。 とりわけ、「ストレスチェックと面接指導の実施」義務化を前にしてなお対応の進まない、海外駐在員やその帯同家族のメンタルケアについて、企業側の労力・コスト等の問題を解消し、手厚いケアの実施を可能とする。
なお、国内のEAP・メンタルヘルス関連市場は、2014年でおおよそ60億円、そのうちITによるサービスに係る部分はおおよそ10億円の規模であるが、2020年には国内市場はおおよそ120億円、ITによるサービスはおおよそ20億円と、事業市場の拡大が見込まれている。