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【アナリスト水田雅展の銘柄診断】P&Pホールディングスはレンジ下限から切り返し、3%台半ばの高配当利回りも支援材料
- 2014/12/22 09:29
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
販売支援や物流業務請負などのP&Pホールディングス<6068>(JQS)の株価は、10月の直近安値302円から一旦は11月中下旬の328円まで戻したが、上値が重く足元は概ね310円台で推移している。大勢として300円~330円近辺でのボックス展開が続いているようだ。ただし徐々に下値を切り上げて煮詰まり感を強めている。3%台半ばの高配当利回りも支援材料であり、レンジ下限から切り返し局面だろう。
12年10月に持株会社へ移行して、モバイル関連の販売支援を中心とするSPO(セールス・プロセス・アウトソーシング・サービス)事業、倉庫・物流拠点作業やコンビニエンスストア棚卸サービスなどのBYS(バックヤードサポート・サービス)事業、コールセンターを中心とする人材派遣・紹介のHR(ヒューマンリソース・サービス)事業、その他事業(WebSPOサービス「もにったー」など)を展開している。
13年4月にSPO事業強化に向けて流通向け建築・内装施工の子会社P&Pデザイン(PPD)を設立、13年6月に小売・流通向けセールス・プロモーションや伊藤ハム<2284>向け人材派遣の藤栄テクノサービス(現ジャパンプロスタッフ)(JPS)を子会社化、13年10月に経理アウトソーシング事業のリラインを子会社化した。
SPO事業は、特定建設業許可を取得した子会社PPDの販売用什器作成や店頭売場作りを拡大し、店頭販売に関わる支援をトータルプロデュースすることで高収益化を推進する。BYS事業は、ネット通販市場の拡大や大手コンビニエンスストアの新規出店などが追い風である。HRサービスについては、利益貢献が見込めない事業に関して見直しを進めている。
今期(15年3月期)の連結業績見通しは前回予想(5月9日公表)を据え置いて売上高が280億円~300億円(前期比7.1%増~14.7%増)、営業利益が6億円~7億50百万円(同8.8%増~36.0%増)のレンジ予想で、経常利益と純利益の見通しは非開示としている。配当予想(5月13日に増額修正)は前期比1円増配の年間11円(期末一括)としている。
第2四半期累計(4月~9月)は平均時給単価の上昇などが影響して前年同期比24.8%営業減益となり、子会社における事業整理損や事業所統廃合に係る事業構造改革費用などを特別損失に計上したため純利益は赤字だった。ただし売上面では、大手コンビニエンスストア向け棚卸サービスなどBYSサービスの好調が牽引し、前年同期比3.1%増収と順調に推移した。また営業外に計上した保険解約返戻金も寄与して同1.9%経常増益だった。
連結月次業績(売上高)によると14年11月は前年同期比12.9%減、14年4月~11月累計は同0.4%増だった。通期見通しの増収率を下回るペースだが、BYS事業ではネット通販市場の拡大に伴って物流拠点作業、大手コンビニエンスストアの出店拡大に伴って棚卸サービスが好調に推移する。
さらに年末繁忙期案件や春商戦案件などキャンペーン獲得のための営業を強化するとともに、グループシナジーを最大限に発揮した独自のワンストップ販売促進支援サービスへの転換を進める方針だ。管理面では新基幹システム導入による業務効率化や、子会社リラインを活用した業務集約化などで売上高販管費比率を引き下げる計画であり、通期ベースでは好業績が期待されるだろう。
なお今期の重点施策の一つとして、将来の東証1部市場への上場を見据えて東証2部市場への上場申請の検討を開始し、内部統制の確立、コンプライアンスの強化、届出書類の整備・精査を推進する方針としている。
株価の動きを見ると、10月の直近安値302円から一旦は11月中下旬の328円まで戻したが、上値が重く足元は概ね310円台で推移している。大勢として9月以降の300円~330円近辺でのボックス展開が続いているようだ。
12月19日の終値317円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPSは未公表のため営業利益予想のレンジ上限値を基に推定した連結EPS34円80銭で算出)は9~10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間11円で算出)は3.5%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS323円57銭で算出)は1.0倍近辺である。
週足チャートで見ると、13週移動平均線および26週移動平均線を挟むレンジでボックス展開だが、徐々に下値を切り上げて煮詰まり感を強めている。3%台半ばの高配当利回りも支援材料であり、レンジ下限から切り返し局面だろう。