【株式評論家の視点】特殊電極は特殊溶接で強さ、今期年38.5円配当、株価に割安感

株式評論家の視点

特殊電極<3437>(JQS)は、ミニゴールデンクロスを示現。自動車関連の割安銘柄として注目したい。同社は、金属の「表面改質」の分野で特殊技術を要する肉盛溶接技術(機械部品等の表面に、その部材と同質、または全く異質の金属を盛り上げる溶接方法)および肉盛溶接材料を中心に事業を展開している。

溶接材料の提供から工事の受注まで、総合的に提供できる全国で数少ない企業として、トップクラスの実績を誇っている。同社が提供する、特殊鋼・非鉄金属系の溶接材料は、優れた耐熱性・耐腐食性・耐摩耗性、また良好な溶接性を特徴としており、機械・自動車・建設機械をはじめ化学、食品などの製造業全般、特に耐摩耗性が求められる製鉄所やセメント工場の投入シュート、コンベア、ミキサー、クラッシャー、石油化学のバルブ、金型などに用いられている。中でもフラックス入りワイヤ、硬化肉盛用アーク棒は、多品種・小ロット対応の独自の生産体制を誇り、高いシェアを獲得しており、一層の差別化と、顧客企業との共同開発を推進することで、さらなる業績拡大を図っている。

今2016年3月期・第2四半期業績実績は、売上高が39億2300万円(前年同期比6.5%減)、営業利益が2億1100万円(同63.1%増)、経常利益が2億2100万円(同56.3%増)、純利益が1億4300万円(同2.1倍)に着地。営業利益は計画を2800万円上回り好調に推移している。

通期業績予想は、売上高が82億4900万円(前期比0.3%減)、営業利益が3億5900万円(同27.8%増)、経常利益が3億7000万円(同22.6%増)、純利益が2億3600万円(同13.1%減)を見込んでいる。年間配当は38.5円を予定している。

株価は、本年5月20日の併合前の高値3160円から8月25日に併合前の安値2140円と調整。その後、9月30日に併合後の安値2200円売り直された後、もみ合いとなっている。自動車関連銘柄が動意付いており、同社が自動車製造過程における悪臭を吸収・浄化する脱臭装置、鋳造された自動車パーツの強制冷却装置ほかの環境関連装置など、時代のニーズを捉えた製・商品を提供していることが見直される可能性はある。今期予想PER8倍・PBR0.58倍と割安感があるほか、配当利回り2.8%と利回り妙味がソコソコある。13週移動平均線を突破しており、水準訂正高が続く可能性はありそうだ。(株式評論家&アナリスト・信濃川)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

最新記事

カテゴリー別記事情報

     

    ピックアップ記事

    1. ■栃木県「那須温泉」が4年ぶりにトップ3にランクイン  楽天グループ<4755>(東証プライ…
    2. ■熊本県阿蘇郡小国町で温泉バイナリー発電所の運営を開始  西松建設<1820>(東証プライム…
    3. 相場展望
       『めでたさも 中くらいなり おらが春』と吟じたのは、小林一茶である。一方、あの一休さんは、『めで…
    2023年3月
    « 2月    
     12345
    6789101112
    13141516171819
    20212223242526
    2728293031  
    IRインタビュー 一覧

    テンポイノベーション・原康雄社長 JPホールディングス・古川浩一郎社長に聞く Eストアーの石村賢一社長に聞く アイビーシーの加藤裕之社長に聞く ピクスタの古俣大介社長に聞く メディカル・データ・ビジョンの岩崎博之社長に聞く ヨコレイの西山敏彦社長に展望を聞く 平山の平山善一社長に近況と展望を聞く アンジェス MGの山田 英社長に聞く CRI・ミドルウェアの押見正雄社長に聞く 京写の児嶋一登社長に聞く

    アーカイブ

    「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
    また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
    ページ上部へ戻る