【チャート診断】兼松、中国ショック前水準を奪回し出遅れ感なくなり短期より中期で注目
兼松<8020>(東1・売買単位1000株)は、8月のボトムから急反発、中国ショック前水準を奪回し200円前後を固める展開だ。短期的には大きい上値は難しそうだが、中期のじっくり投資なら仕込める水準といえる。
<株価の歩みと現在位置>
中期の歩みでは160~180円の往来相場を14年1月~15年4月まで継続、5月に234円と値を上げた。8月には中国ショックで165円と下げ、往って来いとなった。
短期の動きでは8月ボトムから戻し、足元では日足25日線と週足26週線を共に上回り200円台を固める展開だ。終値では24日まで5営業日連続の200円台である。
<マーケットの視点>
14年3月期に15年ぶりに年3円復配した配当が今後どこまで増配が見込めるかを注視している。15年3月期には年4円、今期(16年3月期)には年5円を予定しているが、さらにどのていどの配当が見込めるかという期待となっている。電子、食料、車両、航空機などを得意としており、価格が下落している資源関連の少ないことも注目されている。1株純資産220円。
<株価の方向と短期・中期判断>
しばらくは200円どころでのモミ合いの可能性が強そうだ。既に、中国ショック前の水準を奪回しているため出遅れ感の乏しいことがある。それに、年5円配当では200円程度の株価にはとくに割安感はないこともあるし、週足チャートで5月の234円と7月の231円でダブルトップを形成し上値に対する警戒感もある。信用買残も少ないとは言えない量を抱えている。
ただ、今期8.5%の営業増益で1株利益は29.7円の見通しでPERでの割安感はある。下値不安もなさそうだ。
短期的には8月安値から27%高していることで当面は利食い売りを消化して200円前後を固めるモミ合いだろう。とくに、中期的には来期、再来期の配当を見極める展開で、仮に年6~8円が期待できるということになれば利回り見直しで300円を目指すことが予想される。