【株式評論家の視点】ワイヤレスゲートは無線通信サービスを提供、今12月期2ケタの増収増益、1円増配の年26円配当へ
ワイヤレスゲート<9419>(東マ)は、ワイヤレス・ブロードバンドサービス関連事業を展開している。複数の公衆無線LAN事業者のWi-Fiスポット及び複数の通信事業者の通信網を用い、ユーザーのニーズに応じた無線通信サービスを、主に家電量販店や携帯電話販売代理店等を通じて提供している。
ワイヤレス・ブロードバンド事業では、複数の公衆無線LAN事業者から提供を受けているWi-Fiスポットを利用し、付加価値を高めた上でユーザーに無線通信サービスを提供する「公衆無線LANサービス」、及び当社の公衆無線LANサービスと通信事業者から提供を受けている通信網を組み合わせ、付加価値を高めた上でユーザーに無線通信サービスを提供する「モバイルインターネットサービス」を展開している。
ワイヤレス・プラットフォーム事業は、同社のワイヤレス・ブロードバンド事業の基盤プラットフォームである、ID・パスワードの認証プラットフォームと課金プラットフォームを活用した付加価値提供事業で、他の通信事業者への認証プラットフォームの提供や、法人向けに課金プラットフォームを提供している。
また、新規事業のWi-Fiインフラ事業について同社は、クライアントの要望に応じてWi-Fi環境を構築するシステムインテグレーター(SI)に対して、Wi-Fi環境の構築・運用をクラウド型のシステムソリューションを提供。同社は、Wi-Fi環境の構築に必要なアクセスポイント等の機器をSIに提供するほか、クラウドシステムを活用して構築時の機器設定や運用時のシステム管理等をSI向けに行うほか、Wi-Fi環境下にいる利用者の「人の流れ」を集積した、ビッグデータを活用したソリューションサービスの提供に向けた取り組みも展開していく方針。
今2015年12月期・第3四半期業績実績は、売上高が83億5300万円(前年同期比27.1%増)、営業利益が7億7700万円(同33.4%増)、経常利益が7億7700万円(同33.9%増)、純利益が4億9500万円(同34.9%増)に着地。
通期業績予想は、売上高が112億5900万円(前年同期比23.7%増)、営業利益が9億6100万円(同21.0%増)、経常利益が9億5600万円(同21.1%増)、純利益が6億0700万円(同21.8%増)と連続最高益更新を見込む。年間配当は26円(同1円増)と増配を予定している。
株価は、4月27日につけた年初来の高値3765円から11月4日に上場来の安値1628円まで調整を挟んで上昇。ワイヤレス・ブロードバンド事業では、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックを視野に、訪日旅行者の通信サービスの利便性を高めるサービス「Benefit Station Japan」を台湾で販売開始。Wi-Fiインフラ事業では、自動車学校へのWi-Fiインフラの構築、さらには世界最大のコミュニティWi-Fi「FON」との業務協力、株式会社Andecoとの業務・資本提携など、Wi-Fiインフラの拡充に向け、顧客ニーズに対応したマッチしたサービスの向上に注力しており、将来の成長が期待される。13週移動平均線を突破しており、26週移動平均線を目安にリバウンド幅を拡げるか注目されそうだ。(株式評論家&アナリスト・信濃川)