久世<2708>(JQ・売買単位100株)は長期のモミ合いが続いている。今3月期黒字転換、さらに、3ヵ年計画での飛躍を評価して出番を向かえているタイミングといえる。
■足元での利回りは1.7%
<株価の歩みと位置>
2014年春頃からほぼ700円を挟んだモミ合いが続いている。今年の高値は3月26日の756円、同安値は4月2日の670円が示す通り、動きは小幅である。高値と安値の中間値は713円で足元の株価は中間値を若干、下回ったところにある。年初来高値に対しては約9合目の水準にある。
<注目理由>
長期間のモミ合いで下値が固まり、下値不安のないことがある。次に、業績の向上と中期経営計画で飛躍を目指していることが注目される。
売上の93.7%を占めるのが、「食材卸事業」(外食向け)で主力、「食材製造事業」が全体の6.1%、他に「不動産賃貸事業」(売上構成0.2%)を手掛けている。来年1月末でモンテローザ(売上約97億円)との取引は終了するが、キメ細かい提案営業の強化で新規得意先が1400店舗増える見通し。とくに、横浜中央市場の制青菓中卸会社の丸ユ商店と業務提携し良質な商品を安定的に仕入れることが可能で同時に協業により産地開拓と商品開発にも取り組む。
今3月期は売上は6.4%減の637億円だが、営業利益は1億2000万円(前期3億6500万円の赤字)と黒字転換する見通し。1株利益56.7円、配当は年12円の予定。
特に、全国で約4.1兆円と目される業務用食材市場において、(1)三大都市圏No1、(2)顧客満足度No1、を掲げている。特に、効率経営に取り組み2018年3月期には売上700億円、営業利益7億円、ROE8.0%を目標としている。
<買い水準&目標水準>
700円前後は、利回り1.7%、PER12倍で割安感があり、チャートでも下値が固まっているので仕込める水準とみていいだろう。
短期的には内需関連株人気がどこまで盛り上がるかにかかっているが、年末年始関連で見直される可能性はありそうだ。むしろ、中期的に妙味があるとみられる。中期経営計画時点では1株利益70~80円が予想され配当も年15円以上は期待できるだろうから中期的には1000円台も予想されそうだ。