■うかい、箱根の噴火影響でガラスの森美術館来場者減少で減益、和食・洋食とも堅調、警戒レベル下がり来期回復へ、株主数大幅増加 うかい<7621>(JQ・売買単位100株)の大工原正伸社長(写真)は、東京証券会館内で2016年3月期・第2四半期決算の説明会を行った。 ☆第2四半期(4~9月)は、前年同期比で1.5%減収、営業損益で1000万円の赤字だった。主力の飲食事業は堅調だったが、文化事業(前年同期では売上構成比率約10%)が大きく落ち込んだことが響いた。 大工原社長は、「飲食事業では継続的な来店機会の創出と新規顧客の獲得に努めインバウンド需要の増加、2014年4月に開業した銀座kappouの知名度向上、製菓事業の新商品販売等により計画に対し好調に推移しました。しかし、文化事業(箱根ガラスの森美術館)では箱根大涌谷周辺の火山活動の活発化により5月に噴火警戒レベル2(火口周辺規制)、6月にレベル3(入山規制)に引上げられたことにより箱根ガラスの森美術館の来客数が大幅に減少し文化事業の売上が前年同期に比べ27.5%減少したことが響きました」という。 来店客数は、「和食」では一部店舗で定休日を導入したことで前年同期比0.7%落ち込んだが、「洋食」では、銀座及び表参道店のインバウンド効果も寄与し1.3%伸長した。一方、箱根ガラスの森美術館の来客数は前年同期の21万1508人から14万9994人へ約29%減少した。 16年3月期通期は売上1.6%減の120億3800万円、営業利益29.5%減の1億8000万円、配当は年15円の見通し。「箱根の警戒レベルが1へ下がったので来期に向け効果が期待できます。既存店(和食・洋食)の魅力向上にさらに磨きをかけ新規出店、製菓事業の強化で収益向上を図ります。新規出店では来年12月に、八王子市(同社の本社所在地)と友好都市関係にある台湾高雄市に海外1号店を出店する予定です。全日空とのコラボレーションにより台湾発日本路線ビジネスクラスの機内食に当社のスペシャルメニューが16年1月・4月・10月の期間限定で提供されます」(大工原社長)という。 今年9月現在の株主から、「株主優待制度」を一部変更、食事優待券を株主優待券とし従来通り食事の優待に加えアトリエうかいでの利用ができる。株主数は今年3月末の2619名から9月末では3205名に大きく増えている。 株価は年初来高値が3220円(6月22日)、同安値が2240円、11月27日終値は2655円。