【株式評論家の視点】三洋貿易はROE15%以上、自己資本比率50%以上の目標には大いに注目、PER8倍に割安感
■三洋貿易の「VISION2020」での20年9月期までに経常利益50億円、PER8倍に割安感
三洋貿易<3176>(東1)は、1947年の創業以来、堅実と進取の起業精神のもとに、わが国産業界へ優れた各種原材料・機械機器類などの輸入販売を中心として、半世紀以上にわたり国内外で産業の発展と人々の生活向上に貢献している。現在では、ゴム、化学品、機械・環境、産業資材、科学機器の5事業部門で、市場のニーズの高い商品を提供し、取引先から高い評価を得ている。
新規事業開拓、グローバル展開、M&Aや資本提携等を通じて業容の拡大を図っているが、2020年9月期を最終年度とする5年間の長期ビジョン「VISION2020」を発表。20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上の目標に掲げ、基盤事業では既存コアビジネスの深化やビジネスポートフォリオの明確化、成長事業では新規ビジネスのプロジェクトやグローバル展開の加速などを推進していく方針。
前2015年9月期業績実績は、売上高が606億7200万円(前の期比3.5%増)、営業利益が36億0600万円(同13.5%増)、経常利益が41億1000万円(同16.9%増)、純利益が27億9400万円(同40.9%増)に着地。
通期業績予想は、売上高が640億円(前期比5.5%増)、営業利益が40億5000万円(同12.3%増)、経常利益が42億5000万円(同3.4%増)、純利益が26億円(同7.0%減)と連続営業最高益更新を見込む。年間配当は46円(第2四半期末23円、期末23円)を予定している。
株価は、8月10日につけた上場来の高値1845円から8月25日に年初来の安値1350円まで調整。1650円どころを上値としてモミ合っっている。地熱・海底資源開発関連機材、医薬中間体・原体、特殊フィルムの海外展開、木質バイオマス・ガス化発電関連機材の新規プロジェクトを推進していくことで成長が続くとの期待感がある。今期予想PER8倍台と割安感があり、配当利回り3.0%と利回り妙味も増すことから、1500円割れが下値として固めた感がある。中長期的な視点でここからの押し目は買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家&アナリスト信濃川)