【編集長の視点】あんしん保証は最安値から急反発、成長可能性を見直し仕切り直しの直近IPO株買いが再燃
あんしん保証<7183>(東マ)は、190円高の3740円と4営業日ぶりに急反発して始まり、前日30日の取引時間中につけた上場来安値3520円から底上げをしている。寄り付きの東証マザーズ市場の値上がり率ランキングでは一時、トップ10にランクインする高人気となっている。同社は、家賃債務の保証事業を展開して今年11月19日に新規株式公開(IPO)されたばかりだが、主力商品の「ライフあんしんプラス」の成長可能性を見直し最安値から仕切り直しの直近IPO株買いが再燃している。テクニカル的にも、IPO直後の11月20日につけた上場来高値から41%下げ、日柄では6営業日を経過し、目先の調整一巡感を強めている。
■業界のパイオニアとして機関保証事業を普及し業界シェアを拡大へ
同社は、不動産賃貸のセーフティネットに関して、従来の連帯保証人制度などの人的保証に代わる機関保証の普及実現を目指し、2003年12月に業界のパイオニアとして事前立替スキームを構築した主力商品「ライフあんしんプラン」の販売を開始した。賃貸物件の入居者には機関保証提供により信用保管するとともに、物件所有の賃貸人には賃料の事前立替により金銭的リスクを払拭するスキームで、このため賃貸人から同商品を導入した不動産管理会社に入居者の斡旋依頼が増加するなど好循環が続いている。
同社は、今年10月現在で約1400社の不動産管理会社と契約を締結、保証会員数は約15万7000万人に達し、保証残高は約83億円となっているが、今後も高成長が予測されている。というのも、同社加盟の不動産管理会社の管理戸数は、216万8000戸と全管理戸数578万2000戸の37%のシェアとなっているが、このシェアが50%に達し、同社の加盟店管理戸数のシェアも現在の7%強から35%にアップした場合に同社の保証会員数も100万人と現在の6倍超に拡大する可能性があるからだ。ビジネス環境そのものも、単身世帯の増加により世帯総数も増加し、民営借家総数も増加、関連法律の改正が見込まれ、賃貸保証事業に追い風が吹く。
業績も高成長が続き、今3月期業績は、売り上げ22億1900万円(前期比24.6%増)、経常利益3億700万円(同18.2%増)、純利益1億8400万円(同14.6%増)と予想している。
■資金吸収額は小規模で下値の旺盛な買い需要を示唆しリバウンド幅拡大
株価は、公開価格1460円でIPOされ、IPO初日は買い気配値を切り上げたまま推移し、2日目に5730円で初値をつけ上場来高値6050円まで上値を伸ばしたあと、初値比ストップ安となる4530円と売られ、3日目のストップ安も交えて上場来安値3520円まで調整した。初値倍率が、3.9倍と高く、その後に荒い値動きとなったのは、IPOに際した資金吸収額が、3億超円と小規模にとどまったことが要因で、それだけ下値での実需買い需要が強いことを示唆している。一段のリバウンド幅拡大が見込まれる。(本紙編集長・浅妻昭治)