【木村隆のマーケット&銘柄観察】CRI・ミドルウエアはゲーム中心に、家電などにも応用進む

木村隆のマーケット&銘柄観察

CRI・ミドルウエア<3698>(東マ)が12月2日の高値2万0320円からの調整を12月9日の9080円で切り上げ、早くも出直り相場に乗ってきた。世界的に見れば家庭用ゲーム機やスマホ向けゲームは今後も成長が期待できる分野。さらに、エンターテインメント分野以外への進出に伴い、業容の拡大余地も広がっている。短期で調整を切り上げたのは成長性がポイント。出直りに弾みを加えていきそう。

同社は映像や音声分野に特化したミドルウェアの開発会社。ゲームソフト会社や遊技機メーカーにミドルウェアを提供している。ミドルウェアとは、OS(基本ソフト)とアプリケーションソフトウェアとの中間に位置するソフトウェア。

ハードウェアやOSの違いを吸収し、異なる複数のハードウェアに共通の開発環境を提供する。ミドルウェアの活用で、ハードウェアやOS向けに改めてゲームアプリ等を開発する必要がなくなるため、アプリ等の開発業務を効率化できる。全世界で2900を超えるタイトルに採用される実績を持つ。

業績も好調で今2015年9月期も売上げ12億8600万円(前期比12%増)、営業利益2億5900万円(同20.4%増)の好調な決算が予定されている。

また、中期的には音声・映像技術の需要が、家電、ヘルスケア機器、カーエレクトロニクス、OA機器、産業機器など、組込み機器の分野で広がっている。例えば家電・業務用機器では家電等で使われる限られた性能のCPU向けに、同社の負荷の軽い音声・映像圧縮技術を提供している。またライブ中継や動画配信などで需要が高まるネットワークを活用した映像配信分野にも、映像圧縮技術を活かした事業展開を進めている。(木村隆:日本証券新聞取締役編集局長を経て株式評論家)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■7日間摂取試験でBCAAやタウリン増加、血液健全性を維持  吉野家ホールディングス<9861>(…
  2. ■日本味と匂学会で優秀発表賞を受賞、応用研究に期待  花王<4452>(東証プライム)は9月24日…
  3. ■GHG削減価値をデジタル証書化、荷主に割り当て  商船三井<9104>(東証プライム)は9月19…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  2. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  3. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  4. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  5. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  6. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る