【株式評論家の視点】コロプラはスマホ向けネイティブゲームアプリが主力、海外も拡大、今期も2ケタ増収益で増配
コロプラ<3668>(東1)は、「Entertainment in Real Life ~世界中の日常をより楽しく、より素晴らしく~」を事業ミッションとし、エンターテインメントを通じ、人々の何気ない日常をより豊かにすることを目指している。フィーチャーフォン向けのWebゲームアプリから始まったサービスも、現在ではスマートフォン向けのネイティブゲームアプリが主力となっている。デバイスの進化にも注目しており、VR(仮想現実)デバイスを対象としたアプリの提供も始めている。
国内モバイルゲームサービスでは、国内向けにモバイルゲームサービスを配信している。現在の主力は「白猫プロジェクト」「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」といったスマートフォン向けネイティブアプリで、同社提供の複数のタイトルがApp StoreやGoogle Playといったストアで売上ランキングの上位に入っている。
海外モバイルゲームサービスでは、海外向けにモバイルゲームを配信している。配信エリアは、主に英語圏および東アジアであり、徐々に拡大している。
VRサービスでは、VRデバイス向けにアプリを提供している。現在は「白猫VRプロジェクト」などゲームのみを配信しているが、多くの調査機関は、デバイスの高機能化またデバイス保有者増に伴い、VR市場が将来大きな市場に育つと予想しており、VR市場の成長に合わせ、ゲームタイトルを充実させつつ、ゲーム以外の分野への積極的な展開を推し進めていく計画。
その他のサービスでは、位置情報分析コンサルティングサービスを提供している。位置情報活用を目指す「おでかけ研究所」のほか、スマートフォン特化型リサーチサービス「スマートアンサー」の提供を行っている。
前2015年9月期業績実績は、売上高が723億9500万円(前年同期比35.1%増)、営業利益が323億1700万円(同36.9%増)、経常利益が323億6300万円(同37.4増)、純利益が194億3600万円(同49.2%増)に着地。
今16年9月期業績予想は、売上高が850億円(前年同期比17.4%増)、営業利益が360億円(同11.4%増)、経常利益が360億円(同11.2%増)、純利益が210億円(同8.0%増)と連続最高益更新を見込む。年間配当は期末一括17円(同1円増)と増配を予定している。
株価は、3月2日につけた年初来高値2989円から8月25日に年初来の安値1750円と調整。その後、2000円割れで下値を固め、11月17日高値2710円と上昇。上げ一服となっている。同社は、スマートフォン向けワンフィンガーRPG『白猫プロジェクト』のテレビCM「白猫高校シリーズ」の新作2本を、12月1日(火)から全国で放映開始。『白猫プロジェクト』は指一本で快適に操作できる本格的なスマートフォン向けRPGで、このCMを通じて、『白猫プロジェクト』の知名度がさらに高まる契機になると予想する。MSCI標準指数の銘柄の入れ替えで除外されたことを嫌気し、やや軟調展開となっているが、成長は続くと期待される。今期予想PER14倍台と割高感はなく、25日移動平均線まで下押す場面があれば、買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家&アナリスト・信濃川)