【編集長の視点】アルファポリスは続落も最安値水準から2Q順調進捗率業績を見直し直近IPO株人気が再燃余地
- 2014/12/24 10:37
- 編集長の視点
アルファポリス<9467>(東マ)は、56円安の1935円と続落し、12月18日につけた上場来安値1900円を再度、確認する動きを強めている。今年12月は、新規株式公開(IPO)が月間28社にも達すラッシュとなって、既上場株からIPO株に乗り換える売り物が同社株にも続いているが、来年1月から3月は例年、このIPOの空白期となるだけに、業績実態を伴った銘柄に直近IPO株人気が再燃する可能性が強い。同社は、11月11日に今年10月30日にIPOして以来、初決算として発表した今3月期第2四半期(2Q)累計業績が、3月通期業績に対して順調な利益進捗率を示しており、ここでの公開価格割れは下げ過ぎとして下値をマーク、底上げ加速も想定される。
■漫画刊行点数が増加し『ゲート』は8万部達成とヒット
2Q累計業績は、四半期決算が初決算となるため前年同期比較はないが、売り上げ12億4000万円、営業利益3億9000万円、経常利益3億8200万円、純利益2億5000万円で着地し、3月通期業績対比の利益進捗率は、51~52%と目安の50%をクリアした。同社は自社で運営しているWeb投稿サイト「アルファポリス」で人気となった話題作を書籍化する独自のビジネスモデルを展開、ジャンル別でライトノベル、漫画、一般文芸書などで刊行点数が増加、ヒット作が続出したことなどが要因となった。
とくに漫画では、刊行点数が7点、新規のWeb連載数は4点増加して2Q末現在で27点となり、『ゲート』は、8万部に達するなどヒットした。また一般文芸書として刊行した『居酒屋ぼったくり』は、1、2巻合計で14万部を突破する大ヒットとなった。同社は、2Qに編集部やWeb企画開発課で引き続き人員を前期末比12名増員したが、この費用負担を出版トレンドを的確にキャッチし、Web上の多数のユーザーの評価に基づき書籍化しリスクの低減を可能とするビジネスモデルでカバーして順調な業績推移となった。
3月通期業績も、下期に各ジャンルで1巻当たり2万部を超える書籍を続々刊行し、新規Web漫画連載数を20作品以上とすることから、IPO時の予想を据え置き、売り上げ26億1100万円(前期比27.6%増)、営業利益7億6000万円(同17.6%増)、経常利益7億4000万円(同14.9%増)、純利益4億7600万円(同21.1%増)と見込んでいる。
■公開価格を下回り25日線からも19%の下方かい離と下げ過ぎを示唆
株価は、公開価格2200円でIPOされ4250円で初値をつけ上場来高値4320円まで買い進まれたが、2707円まで調整し、2Q累計業績の順調推移を評価して3540円とリバウンドしたが、全般相場の波乱とともに上場来安値まで再調整した。25日移動平均線からは19.2%の下方かい離と下げ過ぎを示唆しており、公開価格クリアから直近IPO株人気を高めて一段の戻りを試そう。(本紙編集長・浅妻昭治)