【チャート診断】千代田化工建設はジェット機燃料も加わり短期注目だが業績停滞で深追い慎む
千代田化工建設<6366>(東1・売買単位1000株)は、LNG関連、水素関連にミドリムシ利用のジェット機燃料関連という新しい材料が加わった。短期的には上値期待だが、減益見通しで業績が停滞しているので深追いは慎むところだろう。
<株価の歩みと位置>
中期での足取りは、2014年1月にLNG関連、水素関連で人気となって1669円まで値を上げた。14年の高値は、2007年高値1669円からリーマンショックでの安値340円(08年10月)までの下げ幅に対する3分の2戻し(1336円)を達成した水準だった。
14年1月以降は、ほぼ右肩下がりの下降相場が続き、15年1月に一旦、903円と下げ止ったが、再び下げに転じ中国ショックで9月29日に797円まで下げた。足元では週足・26週線を上抜いて1040円どころまで戻している。
07年高値に対して、今の水準は4合目程度、年初来高値に対しては6合目という位置である。
営業利益が2007年3月期の287億円をピークに停滞、15年3月期の営業利益はピークの7.4合目と低く、さらに16年3月期も6.8%減の200億円と冴えないことから業績面では上値は買い難いとしている。ただ、今期配当は1円増配の年14円を予定、07年3月期の年15円にほぼ肩を並べる。事業展望は悪くないことから業績がどこで本格的に上向くかを注視している。
<株価の方向と短期&中期見通し>
短期的には優良株の一角としての注目から上値を伸ばすものとみられる。とくに、日経平均が2万円を固めて2万2000円を目指す展開となれば、年初来高値は無理としても1100~1200円は見込めそうだ。ユーグレナのミドリムシでジェット機燃料で提携することが人気的に株価を押し上げることが予想されるし、水素エネルギー施設でも注目されること、さらに、材料株が動きやすい師走及び年初相場ということを考えれば短期的にはおもしろそうだ。信用取組において空売り残の多いことも、この時期としては注目されるところだろう。
ただ、中期的には利益向上次第である。07年のピーク営業利益を更新する目処が立てば07年高値2345円に挑戦ということが予想される。空売りの推移を見ながら割り切っての短期狙いには賛成だが、中期的には業績の向上を待ってからでも間に合うだろう。