【編集長の視点】データセクションはもみ合いも相次ぐ新規事業開始で下期業績急伸を先取りして下げ過ぎ訂正余地
データセクション<3905>(東マ)は、1円高と3営業日続伸して始まったあと、20円安の603円まで下ぶれるなど前週末4日終値を挟んでもみ合いを続けている。
きょう7日の日経平均株価が、前週末の米国株の大幅高を受けて273円高と急反発してスタートしたことから、新興市場から1部市場へ資金が移動、今年8月25日につけた上場来安値476円から底上げ途上の同社株にも目先の利益を確定する売り物が交錯している。ただ同社株は、今3月期の第1四半期(1Q)・第2四半期(2Q)累計業績の伸び悩み着地から、第3四半期(3Q)以降に相次いで新規事業が寄与して業績が急伸、今3月期通期業績が、レンジで予想した上限迫って大幅増益になるとの期待感が底流しており、下値には下げ過ぎ訂正買いも続いている。新規事業が、人工知能(AI)やインバウンド(外国人観光客)関連需要などのテーマ性を含み多彩な買い切り口を持つことも、再評価されそうだ。
■人工知能・インバウンド関連などの新規事業が相次ぎ業績を押し上げ
同社の株価は、新規事業開始を発表するたびに再三にわたり急伸した。今年6月にビッグデータを活用した株価予測システムによりファンドの運用を開始したことでストップ高したほか、8月にディープラーニング(人工知能)を活用した「WEB画像フィルタリングサービス」の提供を開始したことでストップ高、さらに11月27日に世界的なソーシャルメディアマネジメントプラットフォームを提供するスポリンクラージャパン(東京都港区)との業務提携を発表したときもストップ高を演じた。今年11月に入っては、このスプリンクラージャパンとの業務提携に前後して、ベトナムでのTV広告ビジネスの開始、共同通信社の子会社との業務提携、インバウンド支援サービスの開始なども発表した。
同社の今3月期業績は、レンジで予想され売り上げを4億円~9億円(前期比6.3%増~2.39倍)、経常利益を3000万円~4億1400万円(同65.1%減~4.87倍)、純利益を1500万円~2億4500万円(同76.3%減~3.88倍)と見込まれている。新規事業の動向に左右されるためで、この結果、今期1Q業績、2Q累計業績は、新規事業立ち上げに向け昨年12月の新規株式公開(IPO)後に積極的に22名の人員を新規採用するなど先行投資負担が業績を圧迫、伸び悩んで推移した。
しかし、3Q以降は、相次いで新規事業がスタートし、新規事業だけで少なくとも4億円の売り上げ増などが見込まれることから、3月通期業績も、レンジ上限近辺で着地し、大幅増収増益となるとの期待が高まっている。
■25日線での三角保ち合いが煮詰まり持ち前の急騰習性を再発揮へ
株価は、IPO時の公開価格520円に対して900円で初値をつけ上場来高値1730円まで買い進まれ公開価格比3.3倍の大化けをした。その後も新規事業開始で急伸する場面もあったが、今期に入って業績が伸び悩みペースで推移し、世界同時株安などの波乱相場も波及して上場来安値476円へ突っ込んだ。同安値からは、公開価格割れは下げ過ぎとして底上げ、693円の戻り高値をつけ25日移動平均線水準で三角保ち合いを続けている。この三角保ち合いも煮詰まり感を強めており、上放れから急騰習性を再発揮し一段の戻りにトライしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)