11月4日に上場した郵政グループ3銘柄:日本郵政<6178>(東1・公開価格1400円、初値1631円)、かんぽ生命保険<7181>(東1・公開価格2200円、初値2929円)、ゆうちょ銀行<7182>(東1・公開価格1450円、初値1680円)について、マル1ヵ月を経た12月7日、野村証券やゴールドマン・サックス証券などによる投資判断と目標株価の設定が伝えられた。
野村證券の投資判断は、日本郵政を新たに「ニュートラル」(中立)でカバレッジ(投資評価の付与)を開始し目標株価は1950円(7日の終値は25円高の1997円)とし、かんぽ生命については、同じく「ニュートラル」で目標株価は3400円(同15円高の3390円)、ゆうちょ銀行については、同じく「ニュートラル」で目標株価は1820円(同15円高の1784円)と伝えられた。目標株価が時価とほとんど同水準のため、投資家の中にはややとまどう様子もあるようだ。
投資判断を開始した野村証券は、いわずと知れた証券業界の最大手。3銘柄の新規株式上場に際しても引き受け証券61社の中心的存在になり、同証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券の2社で全体の販売額の5割を占める、と伝えられたこともある。それだけに、3銘柄の保有者にとっては、当面の値動きがどのようになるか気になるところではある。
7日伝えられた他証券の目標株価をみると、ゴールドマン・サックス証券は、日本郵政を1700円、かんぽ生命は3120円、ゆうちょ銀は1700円に設定したと伝えられた。モルガン・スタンレーMUFG証券は、日本郵政が1900円、かんぽ生命が3900円、ゆうちょ銀は1900円。ドイツ銀証券は、かんぽ生命が2900円、ゆうちょ銀行が1830円。また、BOAメリルリンチ証券は、日本郵政が2300円、かんぽ生命が3500円、ゆうちょ銀が2000円。
市場関係者の中には、「ノムラのレーティング(投資判断)も外れることはある」との声があり、いぜん一段高を見込む向きはある。また、一部には、新値街道を走る日本郵政株を念頭に、「安く仕込みたいための『買いたい弱気』ではないか」といった憶測もある。