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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ヨコレイはボックスレンジ下限から反発、低PBRも評価材料で7月高値目指す
- 2014/12/25 07:49
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
冷蔵倉庫大手のヨコレイ(横浜冷凍)<2874>(東1)の株価は、11月中旬~12月中旬は780円~800円近辺で推移していたが、12月24日は818円まで上伸した。下値固めが完了して今期(15年9月期)増収増益見通しを評価する動きだのようだ。低PBRも評価材料であり、ボックスレンジ下限から反発して7月高値884円を目指す展開だろう。
冷蔵倉庫事業を利益柱として、水産品・畜産品・農産品などの食品販売事業も展開している。重点戦略として、低温物流サービスの戦略的ネットワーク展開を掲げ、物流アウトソーシングサービスを軸とした総合低温物流への取り組みを強化している。
国内では14年4月北海道小樽市・石狩第2物流センター、6月大阪市・夢洲物流センターが竣工し、10月には宮崎県都城市・都城第2物流センターが竣工した。海外ではASEAN地域への展開を本格化し、14年2月タイ・ワンノイ物流センター2号棟が竣工し、3月にはタイ・バンパコン第2物流センター(仮称)を着工(15年7月竣工予定)している。
今期(15年9月期)の連結業績見通し(11月14日公表)は、売上高が前期比1.4%増の1436億30百万円、営業利益が同7.2%増の44億円、経常利益が同3.8%増の42億60百万円、純利益が同36.2%増の25億円、そして配当予想が前期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。
冷蔵倉庫事業では、前期に稼働して費用が先行していた北海道小樽市・石狩第2物流センター、大阪市・夢洲物流センター、宮崎県都城市・都城第2物流センター、タイ・ワンノイ物流センター2号棟が通期で収益に本格寄与する。食品販売事業は相場の影響を受けるが、販路拡充や回転率重視の販売などで収益確保に取り組む方針だ。
14年10月に策定した第5次中期経営計画「Flap The Wings 2017」では、目標数値として17年9月期の売上高1500億円(冷蔵倉庫事業258億円、食品販売事業1242億円)、営業利益57億円、経常利益57億円、純利益32億円、ROE5.1%、配当性向40%以上、EBITDA100億円、自己資本比率52.0%を掲げている。安定・着実な成長で持続的な企業価値向上を目指す方針だ。
株主優待については毎年9月30日現在の1000株以上保有株主に対して実施している。優待内容は1000株以上~3000株未満保有株主に対して鮭切身詰め合わせ、3000株以上保有株主に対して北海道産ホタテ・いくらセットを贈呈する。
株価の動きを見ると、10月の直近安値764円からの反発力がやや鈍く、11月4日の832円から反落して11月中旬~12月中旬は概ね780円~800円近辺で推移していた。ただし足元では水準切り上げの動きを強めている。12月24日は818円まで上伸した。下値固めが完了して今期増収増益見通しを評価する動きのようだ。
12月24日の終値818円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS48円31銭で算出)は17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は2.5%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1135円88銭で算出)は0.7倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線を突破して上伸した。週足チャートで見ると26週移動平均線突破の動きを強めている。ボックスレンジ下限から反発して7月高値884円を目指す展開だろう。低PBRも評価材料だ。