【アナリスト水田雅展の銘柄分析】エスアールジータカミヤは東証1部指定替えと株式分割を好感してボックス上放れ

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 建設用仮設機材のエスアールジータカミヤ<2445>(東1)の株価は、1500円近辺でモミ合う展開だったが、11月28日発表の東証1部指定替えと株式2分割を好感して1月高値1763円を一気に突破し、12月22日の2017円まで上値を伸ばしている。ボックス上放れの形であり、中期成長力を評価して上値追いの展開だろう。

 建築・土木・橋梁用仮設機材、移動昇降式足場リフトクライマー、子会社ホリーの太陽光パネル架台などの販売・レンタル事業を展開している。戦略商品として作業環境改善・作業効率向上につながる次世代足場「Iq(アイ・キュー)システム」の拡販を推進している。

 グループ力強化に向けた動きも活発化している。14年4月に海洋土木・港湾分野に実績を持つ土木・建築用仮設資材のアサヒ工業(大阪市)を子会社化した。14年7月にはホリーのベトナム新工場が竣工した。また14年11月にはASEAN地域への事業展開に向けた地域統括会社として、タイに子会社SRGグローバル・ホールディングスを設立した。

 12月1日には、子会社ホリーの仮設営業部門を当社に移管して仮設事業に関連する営業部門を統合すると発表した。グループの経営資源を集約して仮設事業におけるシナジーを高める方針だ。統合の効力発生は15年4月予定としている。

 今期(15年3月期)の連結業績見通しについては、前回予想(5月9日公表)を据え置いて売上高が前期比11.1%増の360億30百万円、営業利益が同25.8%増の38億40百万円、経常利益が同23.1%増の37億円、純利益が同25.9%増の22億27百万円としている。

 第2四半期累計(4月~9月)前年同期比12.0%増収、同33.6%営業増益、同38.5%経常増益、同53.1%最終増益だった。販売事業は同30.0%増収、レンタル事業は同14.4%増収と、いずれも好調に推移した。次世代足場「Iqシステム」の拡販も順調のようだ。

 通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が45.4%、営業利益が40.5%、経常利益が43.9%、純利益が44.3%である。建設関連で第4四半期(1月~3月)の構成比が高くなる収益構造を考慮すれば概ね順調な水準だろう。

 受注残高は高水準であり、クランプ、クサビ式住宅用足場、移動昇降式足場リフトクライマー、メガソーラー向け太陽光パネル設置架台などの需要が好調に推移している。次世代足場「Iqシステム」の拡販も通期で本格化するだろう。レンタル資産の稼働率向上・効率的運用、レンタル価格の上昇、販管費圧縮などの効果も寄与する。通期の会社見通しは工事現場における人手不足の影響などを考慮しているようだが増額の可能性が高いだろう。

 14年5月に発表した中期経営計画(15年3月期~17年3月期)では、目標数値に17年3月期売上高450億円、営業利益52億円、経常利益50億円、純利益31億円、経常利益率10%以上、自己資本比率35%、ROE2桁台維持などを掲げている。震災復興、社会インフラ補修・更新、都市再開発、学校や高層マンションの耐震補強、20年東京夏季五輪、リニア新幹線などを背景に事業環境は良好であり、中期的に収益拡大基調だろう。

 11月28日に株式分割と、それに伴う配当予想の修正を発表した。14年12月31日を基準日(効力発生日15年1月1日)として1株を2株に分割する。株式2分割に伴って期末の配当予想を前回予想の13円から今回予想の6円50銭に修正した。ただし実質的な変更はない。なお株式2分割を遡及して年間ベースに換算すると、今期は年間10円(第2四半期末3円50銭、期末6円50銭)となり、前期の年間6円50銭(第2四半期末2円50銭、期末4円)に対して実質的に3円50銭の増配となる。

 株価の動き(14年12月5日付で東証2部市場から東証1部市場に指定替え)を見ると、9月以降は1400円~1500円近辺でモミ合う展開だったが、11月28日に発表した東証1部市場への指定替えと株式2分割を好感して急伸した。12月1日に1969円を付けて1月高値1763円を一気に突破し、さらに12月22日の2017円まで上値を伸ばしている。

 12月24日の終値1970円を指標面(株式2分割前)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS99円82銭で算出)は19~20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS426円48銭で算出)は4.6倍近辺である。

 日足チャートで見ると目先的な過熱感を残しているが、週足チャートで見ると年初以降のボックス展開から上放れた形であり、13週移動平均線がサポートラインの上昇トレンドとなりそうだ。中期成長力を評価して上値追いの展開だろう。

>>エスアールジータカミヤのMedia-IR企業情報

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