『石炭から油、そして今、新エネルギー』=原油相場(WTI)が下げている。去る、7日には1バレル・37ドル台に下げ、今年8月の38ドル台を下回っている。長期のグラフでみれば2008年の33ドル台が下値のフシである。OPECがこのほど現在の日量3000万バレル規模の生産量を維持すると決めたことが背景となっている。
普通なら物の価格が大きく下がれば、減産や出荷停止などの策を採るものだが、OPECはそうはしなかった。太陽光エネルギー、風力エネルギー、水素エネルギー、バイオエネルギー、メタンハイドレードなど原油に代わる新しいエネルギーが次々と本格的な実用化を迎えようとしており先行き油の需要が減少するため今の間に売っておきたいということかもしれない。
原油価格の下がることは自動車など消費関連にはプラスだが、問題は原油を中心に資源関連の国や企業への影響である。とくに、新興国には資源を軸としている国は多いし、大国のロシアも資源は多く、シェールオイルを手掛けているアメリカにも影響はある。
しかし、大きい流れでみれば、世界は「エネルギーの一大変革の時代」を向かえようとしているのかもしれない。石炭から油に変わったような変化を迎えているようにもみえる。当然、そこには売られる銘柄と買われる銘柄が鮮明となってくる。スイスにある世界最大の商社グレンコアの動向も注視しておく必要があるだろう。