【編集長の視点】モバイルファクトリーは続落も期末接近で業績上方修正・初配当・自己株式取得を見直し再騰が有望
モバイルファクトリー<3912>(東マ)は、93円安の2290円と5営業日続落して始まっている。きょう10日の日経平均株価が、前日の米国株価の原油価格安による逆オイルショック懸念による続落の影響で、270円安と1万9000円台目前まで3日続落してスタートしていることから、同社株にも目先の利益を確定する売り物が続いている。ただ下値には今年10月22日に発表した今12月期業績の上方修正や初配当、自己株式取得を再評価する買い物も交錯している。12月25日の配当権利付き最終日に向け、権取りをテコに再騰展開も想定される。10月の業績上方修正に先立った業績上ぶれ報道ではストップ高した急騰習性の再現期待も高めている。
「ステーションメモリーズ!」の利用ユーザー数の大幅増加が寄与
同社の12月期業績は、今年3月26日の新規株式公開(IPO)時の予想値より、売り上げを8400万円、営業利益を1200万円、経常利益を1100万円、純利益を200万円それぞれ引き上げ、単独決算の前期業績に対して11.4%増収、20.3%営業増益、16.0%経常増益、27.1%純益増益と大幅続伸する。純利益1億5000万円は、前期の1億1800万円を上回り連続過去最高更新となる。
業績上方修正と同時に発表した今期第3四半期(3Q)業績が、IPO時の12月期通期業績に対して売り上げで76.1%、営業利益が96.2%、経常利益が95.7%、純利益が92.4%と目安の75%を上回る高進捗率を示したことから上方修正した。この高進捗率は、位置情報連動型ゲームが好調に推移し、とくに今年11月28日に配信開始1周年を迎えた「ステーションメモリーズ!」の利用ユーザー数が大きく増加したことが寄与している。
また、この業績上方修正とともに今期配当を20円(前期実績0円)として初配当する。さらに同時に自己株式取得の株主還元策も実施、取得上限を10万株(発行済み株式総数の4.1%)、2億円、取得期間を10月23日から12月18日までとして市場買い付け中である。
最高値からの調整幅の半値戻し水準から相場格言通りに全値戻しへ再発進
株価は、今年3月のIPO時の公開価格1410円に対して初値を2812円でつけ、連続ストップ高を交えて上場来高値3840円まで買い進まれ高人気化した。最高値後は、公開価格を割る上場来安値1139円まで大きく調整したが、業績報道でストップ高し業績上方修正・初配当・自己株式取得が加わって2515円高値まで2.2倍化し、再度の調整安値2005円からは来2016年12月期の新作ゲーム配信・増配報道をテコに2649円の戻り高値をつけた。最高値からの調整幅の半値戻しをクリアしており、自己株式取得の好需給や期末の配当権利取りなどを手掛かり材料に、相場格言通りに「半値戻しは全値戻し」を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)