NYダウのあとを1カ月遅れで追う日経平均、来週の米FOMCがポイントに=犬丸正寛の相場展望
日米相場とも今年夏場からの急上昇に対する調整の展開である。数字の羅列で恐縮だが、先ず、NYダウは8月24日のボトム1万5370ドル(場中)から11月3日までほぼ3カ月で約2607ドル上昇、日経平均は9月29日のボトム1万6901円から12月1日の2万0012円(場中)まで3カ月で約3111円上昇した。
この上げに対する調整ということで、NYダウは去る11月10日に1万7210ドルまで上げ幅のほぼ3分の1押しとなった。一方の日経平均も12月10日に1万9025円まで下げ3分の1押し水準に近いところまで下げたという展開である。
NYダウと日経平均を対比すれば、足元での調整は、「3分の1押し」ということでほぼ一致しているが、大きい違いは日経平均がNYダウに対しほぼ1カ月遅れで動いていることである。当然、NYダウが1カ月先行して動いているわけであり、今後の見所としてはNYダウの日柄ということがポイントである。
現在、NYダウは11月3日の戻り高値から1カ月を経過していることから、(1)1カ月の調整で十分なのか、(2)あるいは3カ月の日柄調整が必要なのか、という点がポイントといえる。
仮に、1カ月の調整で十分ということなら来週の米FOMCが転機となる可能性がある。ここで、予定通り利上げが決まれば、長くに渡って利上問題を言い続けてきただけに織込み済みとしてNYダウが上昇に転じる可能性があるだろう。また、利上見送りなら、当然、好感の展開が予想される。いずれにしても来週のFOMCは重要なポイントといえる。
ただ、日経平均がNYダウに対し1カ月遅れで動いているという前提でみれば、12月1日の戻り高値から1カ月後の年明け1月に底入れということになってくる。年内は、日経平均の大きい活躍は難しいということになってくる。
物色対象でも日本の市場は気迷いがみられる。トヨタ自動車など主力のグローバル銘柄は足元の円高で上値を追って買い上がるには難しい。一方、中低位銘柄にも東証1部の出来高が薄い状況では手掛け難い。結局、主力株の押し目狙いと材料系銘柄を手掛けるていどの展開といえる。
政府が景気対策を打ち出してくるかどうかが注目される。2017年の消費税では食品及び食品加工品を除外する方向のようだが、果たして今の景気状況で消費税自体が可能なのだろうか。仮に、金融の量的緩和策が年明けにでも出ればビッグプレゼントとなるだろう。年内はあと12営業日を残すのみ。日経平均が2万円を突破して上伸することは難しそうで高値圏でのモミ合いの展開だろう。