あじかん<2907>(東2・売買単位100株)は年初来高値権で堅調である。純益は今期減少だが営業利益は89%の大幅増益見通しである。上値でのシコリはほとんどなく需給関係はよい。中期で注目できる。
<株価の歩みと位置>
長期に及ぶ700円前後のモミ合いを2015年1月に上放れ3月に829円の年初来高値に進んだ。その後はほぼ740円を挟んだ横ばい推移で8月の中国ショック安でも瞬間720円まで下げたが、すぐに持ち直し足元では780円どころでの堅調な動きである。
現在の水準は年初来高値に対して9.5合目と堅調。上場来高値1260円(2004年8月)に対しては約6合目という水準である。
<マーケットの視点>
2016年3月期の純益は28.1%減の1億8000万円の見通しで1株利益は23.6円(前期32.9円)にとどまるが、営業利益が89.9%増の3億円と大きく伸びることが注目されている。業務用の卵加工品、水産練商品などの食材が堅調で、特に北海道、沖縄など販売地域拡大が寄与している。
四季報の予想では今期の営業利益を4億5000万円、純益2億7000万円、1株利益35.5円と予想していることもマーケットは注目している。さらに、2017年4月の消費税引上げの際に食品加工品が税の対象外となる見通しにあることも材料視されている。
<株価の方向と短期・中期判断>
方向としては下値切り上げ型の展開だろう。売買高が多くないため上値でのシコリはほとんどといってよいくらいなく小口の買いで値を飛ばす可能性はある。短期的に800円を目指す展開も予想される。
基本的には中期スタンスでの注目がよいだろう。3月期決算が近づき、業績が会社予想を上回り四季報予想並みが可能ということになれば850円ていどが期待できるだろう。とくに、四季報並みの利益ということになれば増配の期待が膨らんでくることになるだろう。仮に、全般相場が下げても同社株は760円台に厚い下値のフシがあるため下値不安は乏しいといえる。中期スタンスでの押し目買いがよいだろう。