【チャート診断】関東電化は短期反発見込めるが深追い慎み700円割れまで待って中期買いスタンスで

チャート診断

 関東電化工業<4047>(東1・売買単位1000株)は8月のチャイナショックでも高値更新に買われたが、足元ではその時の反動が出ている。短期反発見込めるが、700円割れで中期狙いがよさそうだ。

<株価の歩みと位置>

 2014年8月に250円前後のモミ合いを上放れ、2015年8月の1098円まで1年間にわたって上昇した。この間の上げ幅は約850円、上昇率は約4.3倍だった。

 中国ショック安の相場の中でも比較的堅調で8月高値後のボトムは10月の720円だった。ただ、11月に1026円と再度、買われたものの8月高値を抜くことができず「二番天井」形成の様相となっている。

 足元では、11月高値から急反落、15日には780円まで下げ10月安値720円に近づく展開となっている。8月の年初来高値1098円に対しては現在、約7合目水準である。

<マーケットの視点>

 マーケットでは、8月まで買われたことで上値にシコリがどの程度残っているかを気にしている。実際、東証個別信用残、日証金残ともかなりの買い長となっている。

 一方、今3月期業績見通しの好いことにも注目している。原油安硬化で9月中間期の営業利益は前年同期比3.0倍の38億8200万円と好調。通期の営業利益は68.6%増の78億円見通しだが、中間期の進捗率は49.7%で通期増額となるかどうかは微妙といえる。1株利益99.9円、配当は年6円(前期年3円)の見通し。

<株価の方向&短期・中期見通し>

 PERは7.8倍だが、利回りは0.76%にすぎない。このあたりを株価がどう判断するかがポイントといえるが、8月の4ケタ乗せで、今期のおおはば増益はそうとう織込んだように思われる。

 チャートでは週足で二番天井型となっているだけに高値更新は難しいのではなかろうか。短期的には反発場面はあっても中期的な株価の方向としては、期中に今期の増額修正があれば別だが、増額がない場合は、高値圏のモミ合いのように思われる。

 さらに、先行き株価ということでみれば次期(17年3月期)の1株利益と配当の見通しにかかっているといえるだろう。四季報・新春号では次期予想を1株利益微減、配当は年6.0~年10.0円と報道している。

 信用買残の多いことを考えれば、今後予想される短期の反発場面では深追いしないで、700円割れを待って中期スタンスで注目するのがよさそうだ。

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