【チャート診断】デクセリアルズは短期での反発場面近そうだが、中期的には年央まではモミ合いの展開も
デクセリアルズ<4980>(東1・売買単位100株)は、上場から5カ月を経過しようとしている。日足で見れば底値モミ合いの形が整いつつあり反発場面は近そうだ。ただ、小型成長株というより資産株としての雰囲気が強い銘柄で、中期的には年央までは1300~1500円のモミ合いとみられる。年央以降には配当への見直しや新指数への採用期待などから上場後高値に挑戦とみられる。
<株価の歩みと位置>
今年7月に新規上場。初値1550円に対し9月1日に高値1790円をつけたあとはほぼ右肩下がりの調整相場の展開が続いている。それでも、去る11月5日に、高値からちょうど500円押しの1290円で底打ちして以降は1300円台で底練りの形ができつつある。下降に向かっていた25日線が横バイ推移に変わってきているなど日足チャートは徐々に好い形が整いつつある。
一方、週足チャートでは、まだ本格的な出直りの見込めるチャートではない。とくに、尺度となる26週線自体が日数不足からまだ描かれていない状態だからだ。なお、足元の1350円前後は高値に対し7.5合目の位置にある。新規上場銘柄の経過比較ではと強い展開といえる。
<マーケットの視点>
上値でのシコリがどれだけ整理されたかにもっとも関心が持たれているようだ。上場時にかなりの大商いを演じており、この時に買い付いた短期筋の投げは一巡とみられているが、中期現物の買いは内容がよいことからそのまま残っているものとみられている。
需給関係以外では、とくに、マーケットでは旧ソニーケミカルという毛並みの良さに加え、配当のよいことを注目している。9月中間期の配当は27.5円を実施、期末でも27.5円を予定、年間では55円配当で利回りが4.0%前後と魅力的である。
とくに、会社四季報では、次期(2017年3月期)について光学弾性樹脂のスマホ向け好調などで増益を予想、1株利益を115.3円(今期111.1円)、配当年55~57円とみている。
<株価の方向&短期・中期見通し>
短期的には底練りの形の整ってきたことから反発場面はありそうだ。ただ、その場合でも10月29日の1510円と11月24日の1494円が上値のフシとなるだろう。
中期的には、PERでの割安感が特別に目立っているわけではない。新規上場銘柄としては年商が700億円を超えている大型銘柄であり小型成長銘柄としては捉え難くく、PER30倍、40倍に買う銘柄ではないだろう。成長株というより資産株としての評価だろう。
次期配当が四季報予想の年57円ということになれば利回り採算がさらに向上する。大胆に予想すれば今期決算を発表する年央までは1300~1500円のモミ合いのように思われる。その後は、17年3月期見通しを織込み、さらに、仮に、JPX日経400指数に組み入れ濃厚ということになれば上場後の高値1790円に挑戦の展開とみられる。