『量に続いて金利でも米の景気対策終了』=アメリカの金融政策が大きい転換を迎えた。既に、2014年10月に金融の量的緩和策を終了していたが、12月16日には、「ゼロ金利政策」の終了を決めた。これで、リーマンショック後の景気対策で採られていた金融の「量的」と、「金利」の両方が終わることとなった。
NYダウへの影響をどう見ておけばよいだろうか。(1)短期的には2014年暮れから1年もの長きに渡ってモヤモヤしていた利上げ問題に決着がついたことでモヤモヤ感解消を好感する展開が予想される、(2)中期的には、今回の金利引上げ表明が、これ以上のピッチの速い景気拡大は望まないというメッセージであることから今後の景気が期待通りのソフトランディングとなるかどうかがポイントだろう、(3)アメリカの金利政策がはっきりしたことで日本の追加量的金融緩和策がやりやすくなった。とくに、1年4カ月後に控えた消費税(8%→10%)を考慮すると今の景気状況では難しいとみられることから量的緩和策が急浮上してくるものとみられる。
大胆に予想すれば、モヤモヤ感解消を買ったあとのNYダウは、1月以降は景気の下振れ材料に神経質になるものと見られる。一方の日経平均は日銀の金融政策の顔色を窺う展開となり日米間に大きい開きが出ることになりそうだ。