【近況リポート】丸和運輸機関の株価は年初来最高値3050円を意識した動きが予想される

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■11月16日の2011円を底にほぼ一直線に2760円まで切り返す

 丸和運輸機関<9090>(東1)の株価は、11月16日の2011円を底にほぼ一直線に12月3日の2760円まで切り返した後、一服している状況であるが、今期も最高益更新を見込むことから、年初来の最高値3050円を意識した動きが予想される。

 11月2日に発表された今期16年3月期第2四半期連結業績は、売上高290億66百万円(前年同期比10.1%増)、営業利益17億94百万円(同66.3%増)、経常利益18億03百万円(同51.1%増)、純利益12億57百万円(同143.5%増)と2ケタ増収大幅増益であった。ところが、通期業績予想を当初予想通りに据え置いたことから、株価は、2日の引け値2588円から急落し、11月16日のザラ場最安値2011円まで、ほぼ一方通行で下げた。

 通期連結業績予想の前期に対する増減率は、売上高5.5%増、営業利益10.4%増、経常利益5.4%増、純利益13.6%増と第2四半期の大幅増益に比較すると物足りなかったことが要因と思われる。

■増収効果と燃料調達価格の下落に加え、物流センターの効率化により大幅増益となる

 当社は、当四半期において新たに2拠点の物流センターが稼働し、今期合計3センターの新規稼働となったことに加え、訪日外国人観光客によるインバウンド消費を背景に、既存取引先の小売業における物量が好調に推移したことから、売上高は10%を超える伸びとなった。

 利益面については、増収効果と燃料調達価格の下落に加え、現場改善活動の一環として物流センターの効率化を積極的に推進したことから、大幅増益となった。

 当社の成長キーワードとして、高度物流センターの構築(全国50カ所)、人材の確保(6年間で1,200人以上の新卒社員採用)、人財育成(丸和ロジスティックス大学を中心とした教育体制)を挙げている。

 新規顧客開拓を推進するために、7PL戦略を展開している。具体的には、コアビジネスへの集中、新物流システムで利益の拡大(プロフィットセンター化)、商流利益の創新(バリューチェーン確立)、集客力の向上(生鮮品の調達)、コスト削減(業務改善)、人手不足に対応、顧客(消費者)満足度向上(新販売チャネル構築)の7つの戦略を掲げている。

■今期稼働した食品物流センターは3か所

 その成果として、2012年から2015年までの新規食品流通センターは、東北・北陸エリア6カ所、関東エリア8カ所、関西・中部エリア4カ所、中四国エリア2カ所と順調に増えている。

 今期稼働した食品物流センターは、山形食品物流センター、所沢食品物流センター、アズコム仙台食品物流センターの3センター。
 山形食品物流センターの従業員は、社員35名、パート約180名。稼働車輛は、1日当たり43台。
 所沢食品物流センターは、従業員数、社員15名、パート約50名が働いている。稼働車輛は、1日当たり約100台。
 アズコム仙台食品物流センターは、社員22名、パート約500名から600名と大規模。稼働車輛は、1日当たり約100台。

 最近の傾向としては、IT機器の普及に伴い、Eコマース事業が増加し、ネット注文が増えたことで、「お届けビジネス」であるネットスーパー事業が順調に成長している。契約店舗数は、13年3月期172店舗、14年3月期196店舗、15年3月期267店舗、15年11月現在292店舗と伸びている。

 当社が運営するパートナー企業向け支援サービスであるAZ-COMネットの加入会員数は順調に増加し、今年4月の会員数は139社であったが、11月30日現在では222社まで増加している。そのため、人財・車輛不足についても対応済みといえる。

 配当については、記念配25円、普通配当38円50銭の年間63円50銭を予定している。

 会社四季報によると、当社の今期業績予想を上回る強気の数字を出していることから、上方修正も期待できる。

 株価は、急反発後の調整局面を迎えているが、事業規模が順調に拡大していることから、再反発が期待できる。

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