『重い東芝の不正経理』=不正経理問題の東芝<6502>(東1・売買単位1000株)の2016年3月期最終赤字が5000億円規模に達すると報道されている。今日の取締役会のあとで正式に公表するという。21日前場の東芝株は29.5円安の253.0円と2012年9月の234円以来となる低い水準に沈み、さらに、リーマンショック後の安値である2009年の204円が目の端にチラツキ始めている。
5000億円の赤字は、同社株主、同社々員などにとって非常に重い数字だが、「コーポレートガバナンスコード」が重要視されている中での不正はマーケットに傷を負わせたことにおいても非常に重いものがある。
今年9月末でNISAの口座数は約572万口座に達し、そのうち初心者が約21%を占めているというから、仮に、初心者が東芝株をNISAに入れていたら大変なことである。このところ、名門企業に不祥事が相次いでいるが、今回の東芝をもって落着として欲しいものである。これ以上続くとベテラン投資家が中長期投資から離れてしまい、短期売買中心だけのマーケットになってしまう心配がある。