【編集長の視点】あさひは3Q増益転換着地・高利益進捗率で業績上ぶれ期待を高めて反発
あさひ<3333>(東1)は、36円高の1347円と急反発して始まっている。前日21日大引け後に発表した今3月期第3四半期(3Q)業績が、増益転換して着地して2月通期業績対比で高利益進捗率を示したことから、2月通期業績の上ぶれ期待を高めて内需株買いが増勢となっている。今期第2四半期(2Q)累計業績が、期初予想を上ぶれて着地したことで1384円高値へ130円高したことも連想買いにつながっている。ただ朝高後は、日経平均株価が、75円安と小幅続落したスタートことも響いて、同社株も、前日終値を挟むもみ合いに変わっている。
スポーツサイクル強化策で顧客単価がアップし3Q利益が通期予想を上回る
3Q業績は、売り上げが前年同期比7.5%増と続伸するとともに、経常利益が同22.0%増、純利益が同26.4%増とそれぞれ増益転換し、2月通期予想業績に対してすでに利益が8億800万円、経常利益が5億7900万円それぞれ上回り目安の75%を大きくオーバーした。新規出店を24店舗と積極継続するとともに、新ビジョンの「VISION2020」に基づき、スポーツ用自転車を専門とする「スポーツフラッグシップストア」や「スポーツサイクル強化店」を展開、プライベート(PB)商品で初めて女性向けクロスバイクを導入、電動自転車なども加わって顧客単価が上昇したことなどが要因となった。
2月通期業績は、3Q業績が高利益進捗したが、第4四半期が自転車の不需要期となることから期初予想を据え置き、売り上げ488億2000万円(前期比9.6%増)、経常利益29億4000万円(同18.6%増)、純利益17億8200万円(同30.1%増)と増益転換を見込んでいる。ただ2Q累計業績の上ぶれ着地や月次売上高の連続プラス、ここのところの暖冬傾向などから業績上ぶれ期待は高く、東洋経済会社四季報最新号では純利益を20億円と観測している。
1300円台出没の三角保ち合いから暖冬関連株人気もオンして高値奪回に再発進
株価は、今期第1四半期業績が2Q累計業績対比で高利益進捗率を示したことを手掛かりに年初来高値1530円をつけ、世界同時株安で年初来安値目前の1106円まで調整、2Q累計業績の上ぶれ着地や月次売上高の連続プラスで1392円の戻り高値をつけ1300円台出没の三角保ち合いに煮詰まり感を強めている。PERは19倍台と市場平均を上回るが、内需関連のディフェンシブ株買いに暖冬関連株人気も加わりで高値奪回に再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)