【株式評論家の視点】ネオジャパンは上場1カ月経過、15年11月期は2ケタ増益、株価は底打ち近い
ネオジャパン<3921>(東マ)は、本年11月27日、東京証券取引所マザーズに上場。1992年、「リアルなITコミュニケーションで豊かな社会形成に貢献する」という経営理念を掲げ、一部の先進企業だけでなく、すべての企業にITのメリットを提供し、コンピュータの力で日本企業と社会のコミュニケーションを変えていくという願いを“ネオジャパン(新しい日本)”という社名に込めて誕生した。
1999年、現在の主力製品であるdesknet’s NEOの原型となるグループウェアを開発し、販売を開始。ビジネスパッケージソフトの開発・販売、自社開発パッケージソフトを低価格かつ信頼性の高いクラウド環境にてオンデマンドで提供するアプリケーションサービス、インターネット・イントラネット関連の業務アプリケーションを個別に受託開発するシステムインテグレーションを行っている。
製品・サービス面においては、本年6月に主力製品であるdesknet’s NEOを現場ニーズに対応してバージョンアップを実施し、交通費・経費精算オプションや動画の配信・画像編集ツールなどを新たに搭載。営業面においては、同年2月に「日経コンピュータ」誌(発行:株式会社日経BP)が公表した調査結果において5年連続でパートナー満足度第1位を獲得。販売パートナーとさらなる関係強化を図るべく同年4月に第1回ネオジャパンパートナーアワードを公表したほか、CSタスクチームを組織し顧客満足度の改善に取り組んだため、同年8月に「日経コンピュータ」誌(発行:株式会 社日経BP)が公表した調査結果において、顧客満足度第1位を獲得している。
今2016年1月期・第3四半期業績実績は、売上高が14億1000万円、営業利益が3億4500万円、経常利益が3億6300万円、純利益が2億3100万円に着地。
通期業績予想は、売上高が18億6700万円(前期比8.3%増)、営業利益が3億3200万円(同32.5%増)、経常利益が3億6100万円(同36.1%増)、純利益が2億2800万円(同32.6%増)と4期連続増収増益を見込んでいる。配当予想は期末一括22円を予定している。
第3四半期業績は、グループウエアソフト「desknet‘s NEO」の売り上げが堅調に推移したことなどが貢献し、売上高・利益とも計画を上回り好調に推移しており、通期業績予想は上ブレする可能性が高い。
株価は、11月27日上場初日に公開価格の2900円を上回る上場来の高値16490円と買われた後、12月24日に8260円と売られ連日の上場来安値と調整。高値から5割下落しているほか、年内現金化に伴う売りもそろそろ一巡することから、値ごろ感が出始めると予想する。320万ユーザ―の豊富な導入実績と高い技術力、強力な販売パートナーという一巡感が出始める頃と思われる。顧客満足度第1位を支える3つの強みがあり、販売強化、ラインアップ強化、海外展開による長期的な成長が見込まれており、短期的にはリバウンド狙いで突っ込み買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家&アナリスト・信濃川)