16年は物色銘柄に主役交代の可能性も
来週(28~30日)の日経平均は、「棹尾の一振」の展開となりそうだ。日経平均が6月に2万0952円の年初来高値をつけたあと9月に中国ショックで1万6901円(いずれも場中値)まで4045円の急落となり、この時のシコリが主力株中心にかなり残っているものとみられ、損金計上の税務対策の売りで師走相場は冴えない展開だった。28日(月)から来年受渡しとなることから整理整頓を終え、新しい相場となることは明るい点である。
ただ、新年相場入りとはなるものの相場の先行きには、依然、不透明感は漂っている。『円安から円高傾向』、『米国の金融政策一大転換』、『テロの脅威』、『中国及び新興国の経済減速』、『原油の歴史的な安値』、『アベノミクス第2章』、『売買単価の低下傾向』といったキーワードを挿入して眺めれば、相場の先行きに手放しの楽観はできない状況である。
とくに、最大の注目は世界景気の行方だろう。中国経済の減速が欧州や新興国経済に影を落とし、さらに、金融政策の大転換でアメリカ経済がこれまでのような機関車役を果たすことができるのかどうかである。原油相場が2008年水準の33ドル台へ下落していることは、世界景気がリーマンショック並みに元気のない姿を映していると見ることもできる。
一方、国内では3年が経過したアベノミクス効果が今後、どう現れてくるか。第1ステージの時のような、金利安=円安=主力株高といった、即効性と期待性は薄れている。3年という日柄自体が、アベノミクスという言葉そのものに新鮮味がなくなっている。かなり、思い切った政策が出ないと日経平均の上値を伸ばすことは難しそうである。
とくに、円高に振れてきただけにこれまでのように主力株が全般相場をリードする展開は期待し難くなっている。そこへ、アベノミクスの最終目的である、「大企業だけでなく中小企業及び地方も景況感を満喫する」ということが重なると、2016年相場は2015年の主力株一辺倒の展開から内需型の中低位株に目が向く可能性がありそうだ。この点において、2015年は売り越し基調だった個人投資家が売買を活発化させる可能性はありそうだ。久々に個人投資家活躍の年となる可能性がありそうだ。