【話題】マーケットに異変、売買単価が急低下で主役銘柄後退の可能性、投資主役もプロからアマへ転換も
マーケットに異変が起きている。東証1部の売買単価が、2014年12月22日以来となる1000円割れが連続となっている。足元で日々の売買単価が3営業日連続で1000円割れとなっており、特に、25日(金)は一気に900円割れまで低下している。
今年、売買単価が1000円を割ることは1~2回はあったが、今回のような3営業日連続は初めてで900円割れも見当たらない。この背景には、マーケットで物色されている銘柄が、値の高い、いわゆる、「値ガサ株」から値の低い銘柄へ向いていることを意味している。
このまま、値ガサ株売りの中低位株買いになるかどうかは見方の分かれるところ。値ガサ株には、トヨタ自動車に代表される海外比率の高いグローバル銘柄が多いため、欧州、中国、新興国の経済減速に加え、今回、利上げを決定したアメリカの景気に対しても頭打ち感が予想されることから業績を取り巻く環境が今よりは厳しくなるとの見方がある。その一方でトヨタなど主力株はROEが高く、高配当などから引き続き相場の主役の座が続くという見方がされている。
主力株が、マーケットの主役であり続けるかどうかは、もう少し時間が必要だろう。とくに、利上げ後のアメリカの景気の動向がカギを握っているとみるべきだろう。ただ、需給関係でみれば、プロ(機関投資家など)は、主力株の保有株数が増えているため、利益確定売り(利食い)したいハラのようだとの観測もある。「最近、主力株の上値が重いのはプロが目立たぬように売物を出していることがある」(中堅証券アナリスト)という。
さらに、アベノミクスの観点でも、「いつまでも、主力企業に頼る局面は終わったのではないか。アベノミクスが第2章入りしたことから、今後は非主力企業が陽の目を受ける順番だろう」(同)という国策からの指摘もされている。
アマである個人投資家は、今年は5兆円規模で売り越していることから余裕がある。仮に、今後、主力株が下げに転じれば悠然と押し目買いできるだろうし、さらに、個人が得意とする中低位株や材料株に出番が回れば活発な動きとなることが予想される。長い証券歴史の中で、アマがプロに対し余裕をもつことは始めてのように思われる。来年はアマが主役の相場のように思われる。