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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ストリームは16年1月期第3四半期累計は大幅増益、通期も大幅増益基調に変化なし
- 2015/12/28 09:33
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
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ストリーム<3071>(東マ)は家電やパソコンなどのネット通販事業を主力として、子会社の化粧品・健康食品販売事業もインバウンド需要で収益が拡大している。16年1月期第3四半期累計(2月~10月)は大幅増益だった。株価は戻り高値圏から急反落したが、16年1月期通期も大幅増益基調に変化はなく、収益改善基調を評価して反発のタイミングだろう。
■家電製品やパソコンなどのネット通販が主力
家電製品、パソコン、デジタルカメラなどを販売するインターネット通販サイト「ECカレント」「イーベスト」「特価COM」の運営(インターネット通販事業)を主力としている。また他社のネット通販を支援する各種販売支援事業(ECサイト運営業務代行サービス)も展開している。
14年2月には扶桑化学工業<4368>から、化粧品・健康食品の無店舗販売を展開するエックスワンの株式80%を取得して連結子会社化し、化粧品・健康食品を中心とした生活必需品の販売事業を開始した。
■子会社エックスワンの化粧品・健康食品分野はインバウンド需要で収益拡大
M&Aやアライアンス戦略での事業多角化、そして外国人旅行客のインバウンド需要対応も強化している。
化粧品・健康食品を中心とした生活必需品の販売事業では、14年9月にラオックス<8202>と提携して、子会社エックスワンのコスメティック関連商品をラオックスの免税店で販売開始した。
14年12月には、エックスワンが新発売した幹細胞コスメ・シリーズ「XLUXES(エックスリュークス)」について、免税店舗における販売でラオックス独占とすることに合意した。
15年3月には、エックスワンがタカラバイオ<4974>の研究開発素材を用いた健康維持サプリ「Xフコイダン テルペン」を発売した。ガゴメ昆布「フコイダン」とキノコ「テルペン」を配合したサプリメントで、タカラバイオが30年前から研究を継続している機能性食品素材だ。
15年5月にはエックスワンが、専用エステ・サロン「XLUXES AOYAMA」を青山・骨董通りに開設し、幹細胞コスメ「XLUXES」を主力としたコスメ・ブティック「XLUXES GINZA」を銀座八丁目に路面店として開設した。
15年8月にはエックスワンがエイジングケアサプリメント「XELESANTE(エックスエレサンテ) BioxSuiso(バイオックス水素)」を発売した。日本を代表するビューティープロデューサー「王子」こと及川尚輔氏がプロデュースする「XELESANTE」シリーズ第2弾商品である。
なお15年9月東京・銀座5丁目にオープンした「イグジットメルサ(旧ニューメルサ)」のラオックス免税店においてもエックスワン製品が販売されている。15年10月末現在、国内免税店における販売は24店舗である。
中国人観光客の大幅な増加も背景として、インバウンド需要でエックスワンの収益が拡大している。ラオックス店舗においては化粧品カテゴリーのトップシェアに成長しているようだ。
■16年1月期第3四半期累計は大幅増益
12月8日発表の今期(16年1月期)第3四半期累計(2月~10月)の連結業績は、売上高が前年同期比12.3%増の168億68百万円、営業利益が同2.2倍の2億67百万円、経常利益が同96.3%増の2億69百万円、純利益が同34.5%増の2億23百万円だった。
インターネット通販が好調に推移し、子会社エックスワンの化粧品・健康食品販売も大幅伸長した。増収効果や粗利益率改善効果などで大幅増益だった。売上総利益率は20.8%で同2.4ポイント上昇、販管費比率は19.2%で同1.6ポイント上昇した。なお特別利益では前期計上した負ののれん発生益65百万円が一巡し、特別損失では情報セキュリティ対策費20百万円、事務所移転費用20百万円が一巡した。
セグメント別(連結調整前)に見ると、インターネット通販事業は売上高が同10.0%増の152億37百万円、営業利益が同42.1%増の1億74百万円だった。
売れ筋商材の確保、アイテム数の充実、在庫の適正化、市場価格への迅速な対応、大型イベントへの積極的な取り組みなどの施策が奏功した。平均単価の上昇傾向や粗利益率改善も寄与した。商品別売上高は家電が同17.5%増の83億75百万円、パソコンが同35.7%増の11億75百万円、周辺機器・デジタルカメラが同14.8%増の41億35百万円と好調に推移し、その他は同31.1%減の15億51百万円だった。
その他事業は売上高が同53.5%増の18億59百万円、営業利益が93百万円(前年同期は0百万円)だった。売上高の内訳はパーソナルケア(化粧品)が14億78百万円、ヘルスケア(健康食品)が2億94百万円、その他が86百万円だった。
訪日外国人旅行客によるインバウンド需要も追い風となり、ラオックス免税店で販売している幹細胞コスメ「XLUXES(エックスリュークス)」など、エックスワンの化粧品・健康食品が大幅伸長した。
なお四半期別に見ると、売上高は第1四半期(2月~4月)58億32百万円、第2四半期(5月~7月)59億12百万円、第3四半期(8月~10月)51億24百万円、営業利益は第1四半期93百万円、第2四半期1億37百万円、第3四半期37百万円だった。
■16年1月期通期の大幅増益基調に変化なし
今期(16年1月期)通期の連結業績予想は、前回予想(3月13日公表)を据え置いて、売上高が前期比5.5%増の214億65百万円、営業利益が同33.7%増の3億74百万円、経常利益が同23.0%増の3億70百万円、純利益が同14.5%増の2億98百万円としている。配当予想は無配継続としている。
売上は第3四半期(8月~10月)以降も順調に推移する見込みだが、コスト面でインターネット通販事業におけるサーバー機器入れ替えなどのシステム投資に係る費用、各種販売支援事業における店舗販売に係る費用、オンラインゲーム事業における技術・開発者の積極的な採用による人件費の増加などが見込まれるとしている。
通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が78.6%、営業利益が71.4%、経常利益が72.7%、純利益が74.8%である。四半期別にみると第3四半期(8月~10月)の営業利益が伸び悩んだが、通期ベースでの大幅増益基調に変化はないだろう。
■20年東京五輪に向けてテレビ買い替え需要も期待
重点戦略として、インターネット通販事業ではWEBマーケティングによる販促強化、ECサイト改善によるシームレスな購入導線の強化、販売効率の向上、販売価格の適正化と粗利益の確保、販管費圧縮などの施策を強化する。子会社エックスワンでは、訪日外国人旅行客をターゲットとする免税店での販売強化、新製品の開発・販売を推進する方針だ。
今後は20年東京夏季五輪に向けてテレビの買い替え需要が本格化することも期待される。収益は中期的に改善基調だろう。
■1月末に株主優待
株主優待制度については、1月31日現在100株以上~2500株未満所有株主に対して優待割引券1枚(1000円相当)、2500株以上~5000株未満所有株主に対して優待割引券3枚(3000円相当)、5000株以上所有株主に対して優待割引券5枚(5000円相当)を贈呈する。
■株価は戻り高値圏から反落したが下げ渋り
株価の動きを見ると、12月2日の戻り高値223円から急反落した。全般地合い悪化が影響し、さらに第3四半期の営業利益伸び悩みも嫌気された可能性がありそうだ。ただし160円台で下げ渋る動きであり、短期的な売りは一巡したようだ。
12月25日の終値174円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS10円98銭で算出)は15~16倍近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS49円81銭で算出)は3.5倍近辺である。時価総額は約50億円である。
週足チャートで見ると再び26週移動平均線を割り込んだが、150円近辺が下値支持線のようだ。16年1月期通期も大幅増益基調に変化はなく、収益改善基調を評価して反発のタイミングだろう。