川崎重工業<7012>(東1・売買単位1000株)の28日(月)の株価は16円高の455円と前日の11円安を上回る反発となっている。陽線幅としては、直前の日足4本を包み込むもので底打ち感が台頭しているといえる。
中国ショック安でつけた安値398円から10月29日の502円までの戻り幅に対する、「半値押し水準」(450円)を若干、下回るところまで下げた(25日に437円)ことで調整一巡感が出ているようだ。
航空機分野の需要拡大で今後の業績見通しは明るいことも支えといえる。2016年3月期は前期比8.3%増収、営業利益10.0%増益、1株利益41.3円、配当年12円(2円増配)の見通しで利回りが2.6と魅力があり、PERでも10倍強と割安水準だ。
ただ、信用買残が、依然、高水準であることに加え、週足チャートでは戻り高値502円を中心に500円前後でトリプルトップを形成し上値に厚い壁ができている。この水準を抜くには、今期業績好調だけでは難しいだろう。次期(2017年3月期)見通しが好調という明確な数字が必要で、それは4月末の3月期決算発表まで待たなくてはいけないだろう。
短期的には、底打ち感が出ていることから25日線(470円)前後までの反発は期待できそうだ。しかし、それ以上ということになれば、日銀の第3次量的金融緩和といった強力な材料が表面化しない限り難しいだろう。むしろ、戻りが鈍い場合は、シコリ株の投げを誘い、戻り高値から100円下げの402円前後まで下げる可能性を含んでいることを頭に入れておきたい。中期買いは、今しばらく様子を見て突っ込み買いに徹するところだろう。