【狙い場・買い場】ワコムは今3月期末一括18円配当の利回り3.7%、日韓改善で恩恵の観測も
ワコム<6727>(東1)は、ミニゴールデンクロスを示現。日韓関係改善期待、配当利回り妙味から注目したい。
同社は、液晶ペンタブレット、ペンタブレット、スタイラスペン、Mobile Accessories、ソフトウェア&アプリを手掛けている。ブランド製品事業においては、プロフェッショナルから一般コンシューマまでの幅広いユーザのニーズに応えるべく、クラウドをベースとした製品ライン拡充のための製品開発を進めている。テクノロジーソリューション事業においては、アクティブES(Active Electrostatic)方式電子ペンの顧客拡大を図るとともに量産化を進めている。
また、電子ペンの普及を加速するために、OSの違いを越えたデジタルインクの標準化により、デジタルインクの交換や共有を可能にする「WILL(Wacom Ink Layer Language)」のパートナー拡大に取り組んでいる。さらに、急速にグローバル化とe-コマース化が進む中、柔軟かつ迅速な生産計画を可能にするグローバルサプライチェーンの再構築とグローバルIT基盤の整備に長期的な観点から取り組んでいる。
今2016年3月期・第2四半期業績実績は、売上高が389億5600万円(前年同期比21.7%増)、営業利益が20億5300万円(同12.4%増)、経常利益が20億9800万円(同19.1%増)、純利益が12億6100円(同9.9%増)に着地。
通期業績予想は、売上高が810億円(前期比8.6%増)、営業利益が48億円(同21.9%減)、経常利益が47億8000万円(同21.2%減)、純利益が30億5000万円(同12.2%減)を見込んでいる。配当は期末一括18円を予定している。
株価は、2月24日につけた年初来の高値649円から8月25日に年初来の安値392円と調整し、昨年10月安値に顔合わせしたことで二番底形成との感がある。
同社は、急激な経営環境の変化を踏まえ、19年3月期売上高1200億円、売上高営業利益率12%、株主資本利益率20%以上の達成を目標とする4か年の戦略経営計画SBP-2019をこの4月に発表済み。同計画に沿い、新たなグローバル事業組織の下、新規市場の開発と既存事業のより一層の強化に取り組むことなどで事業成長を図り、更なる企業価値向上を目指しているが、今16年3月期業績予想の下方修正を株価に織り込んだ。
また、従軍慰安婦問題について「最終的かつ不可逆的な解決」で合意したことで、日韓関係改善による恩恵を受けるとの思惑が浮上しており、仕切り直しの展開が期待される。
配当利回り3.77%と利回り妙味が下支え、日足ではミニゴールデンクロスを示現。週足では13週移動平均線を突破しており、450円を軸とした中段でのモミ合い上放れが予想される。