【妻と夫の株ロマン】NYダウは大統領選挙半年前の5月にピークの可能性

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日経平均は米国景気頭打ちなら2万円台困難に

【妻】 新年おめでとうございます。2016年の相場は基調としては強いと思います。振り返って、日経平均でみると2013年は年末比較で約5900円高、14年は約1200円高、そして、15年も約1580円高でした。今年も1000円以上は上昇すると思いますわ。安倍政権から、親方日の丸的な民主党政権に戻れば上昇相場は終わるでしょうが、アベノミクスが続くかぎり上昇相場だと思います。あなたの見立てはいかがですか。

【夫】 基本的には同じだけど、年末にどうなっているかは分からない。あるていど自信を持って言えることは、今年前半は確率9割で強いとみている。7月に参院選挙があるから、そこまでは景気にプラスとなるような政策的材料が用意されると思われる。仮に、選挙で自民党が勝利すれば、憲法改正などに目が向いて、再び、2015年の安保関連法案のときと同じように経済は二の次となる可能性がありそうだ。NYダウについても5月頃が大きいヤマ場となりそうだ。アメリカは11月に選挙があり、大統領が交代となるから次期政権が外交、経済にどのよな政策を打ち出してくるかを見極める必要から積極的な売買は手控えになるように思われる。

【妻】 2016年はアメリカも日本も政治が重要なポイントになるということですね。その点は十分に注意するとして、ひとまず、政治を横に置いて景気について考えるとすればどうですか。まず、アメリカは利上げ後の景気がどうなるかが最大の見所ですね。

【夫】 その前になぜこの時期にアメリカはゼロ金利を止めて利上げに進むのかということだ。一部、自動車と住宅に過熱感はみられるが、景気全体としては急いで利上げをしなくてはいけないほどバブル破裂の心配があるわけではない。考えられるのは、オバマ政権が就任当時に比べ、ドン底の景気を回復させ、特に、失業率を10%台から5.0%まで大きく改善させたという経済政策の成果を任期の終わる最後のところではっきりさせたかったからだと思われる。これによって、オバマ政権は低迷していた景気を回復させ、株価(NYダウ)も最高値(1万8351ドル=15年5月)を達成した政権として歴史に名を残すことができる。この余韻を今年5月頃までは味合う相場展開のように思われる。

【妻】 課題もあったのでしょ。

【夫】 一つは、外交面だと思われる。友好を前面に打ち出した結果、中国、ロシアの姿勢が強まり領土問題を巡る紛争が表面化、、中東でも政局が不安定となってテロの脅威が増している。国内から弱腰外交と非難されている。このため、次の政権は外交面で強硬姿勢が予想され、それによって逆にテロなどの脅威が増したり中国との間で軍事緊張の高まる可能性もある。大統領選の半年前の5月頃からは動き難くなると思われる。もう一つの懸念材料はオバマ政権中にドル高だったこともある。ドル高の影響がこれから輸出関連の製造業のところに現れる心配がある。このことが、アメリカの企業業績にどのていどマイナスとして出てくるかを見極める雰囲気が強まるだろう。

【妻】 アメリカは内需が好調で景気と企業業績を引っ張っているのでしょ。

【夫】 失業率が大きく改善された効果で消費は強いといえる。昨年暮れのクリスマス商戦も良かったようだ。ただ、失業率が低い間は消費は基本的に強いとみていいが、今後、利上げの影響でバブルに近いといわれる自動車、住宅の需要に急ブレーキがかかる可能性はありそうだ。その点は、相場にはまだ織り込んでいないのではないか。

主力株から非主力株へ主役交代の可能性

【妻】 日本の景気と企業業績はどうかしら。マダラ模様のように感じられます。

【夫】 アベノミクスがスタートして3年が経過したのだから前政権時代に比べるとずいぶんよくなっている。ただ、この3年間は大手企業を中心とした経済対策だったわけだから大手企業社員はホクホク、しかし、中傷企業や地方はまったく好況感がないという声が強い、まさにマダラ模様だと思う。法人税率の引下げなど引き続き大企業に牽引してもらう政策だが、その効果がどのていど中小企業や地方にまで広がってくるかが今年の見所だろう。今度の参議院選挙では選挙権が18歳まで引き下げられることによって与党の得票がどうなるか。高齢者に不満が強いといわれるだけにどれだけ若者の支持を得るか注目される。このため、選挙が近づけば、これまでの選挙と違って相場は動き難くなるのではないだろうか。

【妻】 前半の日経平均は2万台に行くとみていますが、あなたはどうみていますか。

【夫】 ポイントは日経平均採用の主力株の業績次第だろう。これまで、アメリカ景気好調の恩恵で主力銘柄の業績は好調だったが、もしも、「アメリカ景気に陰り」、という報道がでるようだと2万円台定着は難しくなる心配がある。その場合は戻り高値2万0012円(15年12月1日)に対しダブル天井の心配がある。それさえなければ、日経平均は5~6月に2万1000円前後はあるだろう。昨年まで3年間はトヨタ自動車など主力株が中心だったが、今年は銘柄が非主力株へ変わる可能性がありそうだ。

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