【株式評論家の視点】データセクションはビッグデータ活用し不正投稿監視サービスや株価予測システムなど提供
- 2016/1/4 11:26
- 株式評論家の視点
データセクション<3905>(東マ)は、ソーシャルメディアデータを中心としたビッグデータ活用サービスを提供している。不正マイナンバー制度対応や、それに伴うセキュリティ対策等、引き続き新規需要に対し、柔軟に対応する体制を整えている。具体的には、マイナンバー制度の施行に伴う、企業の情報漏洩防止に対するニーズの高まりに対応した、ソーシャルメディアへの不適切投稿監視サービス「Social Monitor」の提供や、ソーシャルビッグデータを活用した株価予測システムの提供など、新たなソーシャルビジネス関連市場に対応する新規サービス開発を積極的に行っている。
SaaSサービスにおいては、ソーシャルメディア分析ツール「Insight Intelligence」、書き込みアラートサー ビス「Insight Checker」、テキストマイニングツール「Easy Mining」、事故・災害情報検知サービス「Social Hazard Signage」に加え、第2四半期から提供開始した、不適切投稿監視サービス「Social Monitor」のリリースも寄与し、契約数も順調に増加している。
ソリューションサービスにおいては、顧客が持つ「自社内ビッグデータ」を基に同社グループに蓄積されている「ソーシャル・ビッグデータ」を組み合わせ、SaaSサービス技術を活用したセミオーダー型システム開発を行っている。ビッグデータを近未来予測に活用したいという企業側のニーズに対応した、株価予想システムによるファンドの運用開始など、新規事業への取り組みも拡大している。
リサーチコンサルティングサービスにおいては、SaaSで提供するサービスだけでは自社の要望を可視化することが困難な顧客に対し、商品やプロモーションに対する口コミの専門家分析や、消費者と企業とのつながり度を高めるソリューションを提供するもので、リサーチコンサルティングサービスの新たな施策として、本年4月には、連結子会社であるWeavers株式会社を新規設立し、リサーチコンサルティングチャネルの強化も実施している。
今2016年3月期第2四半期業績実績は、売上高が1億8300万円(前年同期比4.0%増)、営業損益はトントン(同3900万円の黒字)、経常利益が400万円(同4000万円)、純利益が200万円(同2800万円)に着地。
通期業績予想は、売上高が4億~9億円(前期比6.3%増~139.1%増)、営業利益が1700万円~4億0100万円(同80.1%減~368.5%増)、経常利益が3000万円~4億1400万円(同65.1%減~381.9%増)、最終損益が1500万円~2億4500万円(同76.3%減~287.0%増)を見込んでいる。
引き続き第3四半期以降では、新たなソーシャルビジネス関連市場に対応する新規サービス開発を行うとともに、既存ビジネスの更なる拡販、新規にサービスを開始したビジネスの顧客獲得を目指し、更なる収益拡大を目指した取り組みを進めている。
株価は、本年1月7日につけた上場来の高値1730円から12月25日に上場来の安値465円と73%の調整を挟んで上昇している。12月30日午前9時に同社は、人工知能(ディープラーニング)によるソーシャルメディア分析から、商品の利用シーンを発掘する「利用シーン発掘サービス」の提供を開始したと発表。「利用シーン発掘サービス」の活用により、消費者の実際の利用シーンに基づいた商品企画、プロモーション、販売支援施策が可能となることから、将来的に業績に貢献するとの期待感が高まっている。25日移動平均線を突破しており、リバウンド幅を拡げる可能性はありそうだ。(株式評論家・アナリススト信濃川)