新年相場の「初めよければすべてよし」の緒戦は北海道新幹線開業を先取りして北海道関連株に初夢期待=浅妻昭治

2016 大発会

 年が改まったら新しい相場が始まる――投資家すべての期待であり希望である。当然、きょう4日の大発会で初売買・初商いする緒戦銘柄も、新しい上昇トレンドを形成して望外のリターンをもたらしてくれると夢を託することになる。この初夢が正夢につながってお年玉銘柄となれば、「初めよければすべてよし」の緒戦勝ちで今年の相場は、大いに有望ということになる。

 新年相場のお年玉銘柄については、下馬評が目白押しである。マイナンバー関連株、自動運転関連株、ドローン関連株、電力小売り全面自由化関連株、参議院選挙関連株など、イベントに絡んだテーマ株のほか、オーソドックスに毎年恒例の1月1日付けの日本経済新聞に掲載のトップ経営者の有望銘柄ランキングで上位に顔を並べた輸出主力株も、外せない。そこで当コラムでは、この候補株の一角にイベント関連の北海道新幹線開業を先取りした北海道関連株を推したい。

 北海道新幹線は、今年3月26日に東京―新函館北斗間が開業する。昨年3月14日に北陸新幹線が開業し、これを先取りして1年前の年初から北陸関連株が動意付き、一大トレンドを形成したことは記憶に新しいところで、この再来を期待するからだ。もちろん、北海道新幹線と北陸新幹線との間については、さまざまな比較優位が行われていることは承知している。最大のものは、所要時間が、東京―金沢間が最短2時間28分なのに対して、北海道新幹線の東京―新函館北斗間が4時間2分もかかることで、これが対航空機への競争力を劣化させ、このほか運行本数や旅客需要、乗車率なども見劣りすると指摘されていることは周知の事実である。

 にもかかわらず北海道新幹線に注目するのは、北陸地方と北海道との地縁的・経済的・歴史的なつながりの強さが特筆ものだからである。例えば、2004年9月に銀行持株会社としてスタートしたほくほくフィナンシャルグループ<8377>(東1)は、傘下に北陸銀行と北海道銀行を擁し、日本初の銀行間の「飛地統合」として話題になった。これは北海道の開拓には北陸出身者が4分の1も占め、北陸銀行が、遠隔地の北海道に支店を出店していた事情が要因となっていた。また電力業界では、「北―北」連合として北陸電力<9505>(東1)、東北電力<9506>(東1)、北海道電力<9509>(東1)の3社が経営交流を続けてきた。

 このつながりの強さの源は、遠く江戸時代の北前船まで遡る。北前船は、当時の経済の中心の大阪と日本海沿岸諸港を経由して蝦夷地(北海道)までを結び、中央と地方との特産品の交易ばかりか文化の交流までを促進、まさに地方創生の一大動脈になっていたのである。北陸新幹線に次ぐ北海道新幹線の開業は、この北前船の現代版であり、北前船当時と同様に「裏日本」が「表日本」に飛躍・里帰りするチャンスとなるかもしれないのである。

 では、北海道関連株ではどの銘柄が浮上するか?これは、昨年3月の北陸新幹線開業に向けて株価が人気化した銘柄の類似株から注目するのがセオリーということになる。1年前の北陸関連株相場で印象に残った銘柄は、インバウンド(外国人旅行客)特需期待も上乗せとなった北陸地方が地盤のドラッグストアのゲンキー<2772>(東1)、クスリのアオキ<3398>(東1)、地方百貨店株で子会社でホテル業も展開している大和<8247>(東2)、北陸地方を地盤とするラーメンチェーン店の外食株のハチバン<9950>(JQS)などである。これを参考にして銘柄選定に万全を期せば、初夢は正夢となって幸先よいスタートとなる可能性が強くなる。(本紙編集長・浅妻昭治)

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