【木村隆のマーケット&銘柄観察】アスクルはBtoB事業が牽引し、継続的な売上げ増を見込む

木村隆のマーケット&銘柄観察

アスクル<2678>(東1)が底値圏から立ち上がってきた。今2015年5月期の好調を手掛かりに人気が回ってきている。今期の数字もだが、BtoB事業の躍進で業績は新たな飛躍期を迎えつつあり、評価も前進しそうだ。

同社はオフィスで必要な文房具やOA用品をFAXやインターネットで注文を受け、翌日配達する法人向け事業(BtoB事業)を主体とする通販会社。

主に文具店等の外商サービスを受けられない中小規模の事業所を対象とするが、中堅・大企業向けには、最適購買をサポートするシステム「ソロエルアリーナ」も運営。近年は、医療機関向けの医療材料、建設現場や工場・研究所向けの工具や理化学品、飲食店向け商品など、オフィスの枠組みを越えてWEB中心に拡販することで売上成長を目指している。

中間期は営業利益が前年同期比12%増の16億円に止まった。しかし後半は営業利益が前年同期比52%増の65億円と急向上する見通しだ。

BtoB事業では円安等を受け、秋のカタログ発刊から商品価格の値上げを実施。商品粗利益率の向上と物流効率化の進展をテコに、期末に向けてさらなる収益性改善を見込む。BtoC事業も一般消費者向けネット通販「LOHACO」の体制構築が進み、下期の営業損失は上期比でも前年同期比でも縮小する見通し(通期では前期比若干の赤字拡大)。

BtoB売上げが継続的に拡大する好循環となっている。12月26日に、12月度の月次売上高(20日締め、速報ベース)を発表した。単体売上高は前年同月比6.5%増となり、好調さが続いている。同社が成長分野と位置づけるインターネット・ショップ「LOHACO」は同58.9%増となっている。今期も順調なスタートを切っており、評価はさらに高まりそう。(木村隆:日本証券新聞取締役編集局長を経て株式評論家)

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