【編集長の視点】フリューは4連騰、需給好転・配当期待を高めて直近IPO株買いが増勢

編集長の視点

 フリュー<6238>(東1)は、39円高の2900円と4日続伸して始まっている。同社株は、昨年12月18日に東証第1部に新規株式公開(IPO)されたばかりで、これによる東証株価指数(TOPIX)算入が迫っていることから、TOPIX連動型ファンドなどの買い需要が発生する需給好転を先取りして直近IPO株買いが増勢となっている。また、今3月期配当も、IPO時には未定としていたが、今期業績の続伸から配当継続が有力視され、期待材料としてサポートしている。

■プリントシール機でシェア70%とトップを誇り「ピクトリンク」も好調推移

 同社株は、公開価格3200円で東証第1部に直接上場され、初値は公開価格を20円上回り3320円でつけたものの、この高値を上場来高値にその後は、下値を探る動きが続き昨年12月25日に上場来安値2479円まで調整した。昨年2015年の直接上場株は、同社株や日本郵政<6178>(東1)グループ3社を含めて8社に達し、初値形成については、資金吸収額が、新興市場株などと異なり大規模に達することなどからやや不調になることが多かった。ただ、初値形成後のセカンダリーでは、TOPIX算入に伴う需給好転をテコに出直り色を強める展開となるケースが続出しており、同社も、TOPIX算入を先取り好需給期待を高めている。

 一方、同社の今3月期業績は、増収増益と順調な推移が予想されている。具体的には売り上げ240億8200万円(前期比0.7%増)、営業利益33億4300万円(同10.2%増)、経常利益33億800万円(同0.9%増)、純利益21億6300万円(同13.3%増)と見込まれている。オムロン<6645>(東1)の社内ベンチャーとしてスタートして2006年10月に設立され、2007年4月に経営陣による株式公開買い付け(MBO)により独立、スタート以来の主力事業のプリントシール機では、業界シェアが約70%とトップを走り、プリントシール機で撮影した画像をスマートフォンなどのモバイル端末で取得できる閲覧サービス「PicTLINK(ピクトリンク)」の月額300円の有料会員が、昨年9月末で前年同期比5%増の158万人となったことなどが寄与する。

 また今期配当は、IPO時には未定としていたが、前2015年3月期は26.51円として実施しいえおり、IPO時の記者会見で同社の田坂吉郎社長も、配当継続意向を示しただけに、今年2月予定の今期第3四半期決算発表にかけて配当実施待ちとなる。

■最高値調整幅の半値戻し水準からPER11倍台の下げ過ぎ訂正で全値戻しに拍車

 株価は、年初来安値から800円幅の底上げをし、上場来高値からの調整幅の半値戻し水準をクリアしたが、なお公開価格を下回りPERも11倍台と下げ過ぎを示唆している。相場格言の「半値戻しは全値戻し」の通りに最高値を奪回し、さらに上値チャレンジに弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る