高値圏での保合い相場こそ最大の注意が必要=犬丸正寛の相場格言
- 2016/1/16 05:15
- 特集
日経平均、TOPIXなどの指数においても個別銘柄においても高値圏で堅調にモミ合っている相場は、現実の景気・企業業績が良好であることの証です。しかし、注意すべきは、目の前の良さから投資家の心を安心感で一杯に満たし、何の疑いを持たなくなることです。ひょっとすると、危険な兆候が忍び寄っているかもしれません。安心感が勝って受け入れようとしない気持ちが強まっているとすれば、深呼吸で周囲を見渡す気持ちを持ちましょう。
退院して状態がよいからといって安心・油断していると再入院ということになるのと似ています。株価の足取りは日足、週足で見るのが中心ですが、時には「月足」で眺めることを勧めます。
NYダウ、日経平均とも2009年安値から共に約3倍に上昇、月足で眺めると、今は、高値圏で保合っている状態です。保合いを急上昇した後の単なる休養とみれば先行き一段高は期待できますが、もしも、これまで好調の景気・企業業績に陰り、ということになれば先行きに対し身構える必要があります。
相場にとって、基調転換判断の重要な物差しとなる、月足「24カ月線」において、個別では、既に、24カ月線割れ銘柄が出始め、高値圏保合いから崩れる動きが出始めています。今は、世界GDP1~3位の米国、中国、日本の景気の行方、そしてブラジルなど新興国景気の行方から目の離せないところに来ているように思われます。日足、週足で崩れた場合の相場は比較的短期間で修復されますが、月足で崩れた場合は年単位の調整となってしまいます。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)