【編集長の視点】ビジョンは「KABUKI WiFi」発売を見直し直近IPO株買いが再燃し急反発

編集長の視点

 ビジョン<9416>(東マ)は、49円高の1584円と急反発して始まり、今年1月12日につけた上場来安値1414円からの底上げに再発進している。世界同時株安の波及で上場来安値まで突っ込んだが、同社株は、昨年12月21日に新規株式公開(IPO)されたばかりで、今年1月12日に店舗販売型のモバイルWiFiルーター(「KABUKI WiFi」(SIMカードセット済み)の全国販売を開始しており、これによる同社の成長可能性を見直して下げ過ぎ直近IPO株買いが再燃している。今年1月19日に日本政府観光局が発表した昨年2015年年間の訪日外客数が、前年比47.1%の1973万7400人と過去最高となったことも、引き続き同社株の「インバウンド」関連人気を高めている。

■グローバルWiFi事業は第1ステージから第2・第3ステージへと加速展開

 同社は、世界中でいつでも・どこでも・安心・安全・快適なモバイルインターネット環境を提供するためにWi-FiルーターをレンタルするグローバルWiFi事業を主力事業としているが、今年1月12日に開始した「KABUKI WiFi」は、レンタル制の「NINJA WiFi」に加えて訪日外国人向けに全国15店舗で店舗販売型として発売、レンタル制のクレジットカード登録や返却処理などの手続きが一切不要で、買った時から即使えるサービスとして利便性を向上させている。

 グローバルWiFi事業は、訪日外国人観光客数が年間約2000万人、日本からの海外旅行者が同1700万人、さらに海外から海外に渡航するグローバル旅行者が同12億人となる巨大マーケットで、最大89.9%割安となる定額制により業界最多の世界200以上のエリアに無線通信のWi-Fiサービスを提供するビジネスとして展開しているが、今回の「KABUKI WiFi」は、これに新たに店舗販売型を加えてサービスを拡大・充実させる。業績も、このグローバルWiFi事業が、第1ステージのアウトバウンド展開、第2ステージのインバウンド展開、第3ステージの海外⇒海外展開と加速して高成長している。目下集計中の前2015年12月期業績は、売り上げ123億1900万円(前々期比21.0%増)、経常利益7億8200万円(同2.41倍)、純利益5億8100万円(同2.11倍)と予想され、続く今2016年12月期業績も、「KABUKI WiFi」の寄与などから続伸が見込まれる。

■最高値からの調整幅の3分の1戻しをクリアしインバウンド関連人気再燃も

 株価は、公開価格2000円に対して2213円で初値をつけ上場来高値2390円と買い進まれたが、昨年末のIPOラッシュのなかで調整色を強め、年明け以降は世界同時株安の波及で上場来安値1414円に突っ込み、「KABUKI WiFi」発売とともに底上げ、最高値から最安値までの調整幅の3分の1戻し水準までリバウンドしてもみ合っていた。PERは16倍台と新興市場のネット関連株として相対的に割安であり、インバウンド株人気を再燃させ、半値戻し、全値戻しと一段の戻りにトライしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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