【編集長の視点】ソーシャルワイヤーはレンタルオフィス増床を見直し下げ過ぎ直近IPO株買いが再燃して急反発

編集長の視点

 ソーシャルワイヤー<3929>(東マ)は、54円高の1454円と急反発して始まり、今年1月21日につけた上場来安値1215円から底上げをしている。今年1月20日に同社のインキュベーション事業で展開しているレンタルオフィスのうち、「CROSSCOOP新宿AVENUE」の2回目のフロア拡張を行い、オープンしたことなどを見直し下げ過ぎ直近IPO(新規株式公開)株買いが再燃している。同社は、昨年12月24日にIPOされたばかりで、年明け後の世界同時株安に巻き込まれて公開価格1600円を下回っているが、もう一つの経営の柱のプレスリリース配信代行のニュースワイヤー事業も好調に推移して今3月期業績が大幅増益と予想されていることも見直され、1月29日に発表予定の初決算となる今3月期第3四半期(3Q)業績への期待も高めている。

■複数の入居企業のオフィス・スペース拡張要望に対応して10個室を増床

 インキュベーション事業は、今3月期第2四半期実績で売り上げの約47%を占め、国内4拠点のほかシンガポール、インドネシア、インド、ベトナム、フィリピンなどアジア6カ国でレンタルオフィス「CROSSCOOP」を運営している。今回、フロアを拡張した「新宿AVENUE」は、2014年11月にオープンし、2015年2月に1回目の増床をしたが、東京メトロ新宿三丁目駅、新宿御苑前駅からそれぞれ徒歩3分と交通至便で、入居している複数の顧客から事業が好調としてオフィス・スペースが手狭になり大きな部屋に移りたいとの要望が寄せられたことに対応し、個室を10個室増床して全65個室とする。増床スペースは、事前予約により高稼働率でスタートする見込みである。

 一方、ニュースワイヤー事業も、企業、官公庁・団体などのプレスリリースを預かり、メディアに掲載しやすいように校正・加工して配信する代行サービス「Press」の配信先が、新聞・雑誌の紙媒体、テレビ、ラジオ、インターネットを含めて7500メディアと高水準で推移し、リリースの配信数や1社当たりの配信数である平均利用回数も上昇している。このため今3月期業績は、売り上げ19億1300万円(前期比20.7%増)、経常利益2億円(同81.2%増)、純利益1億4000万円(同2.03倍)と大幅続伸を予想している。IPO後初決算となる今期3Q業績がどのような進捗率を示すか注目されている。

■まず公開価格抜けを目指しさらに初値奪回に向けリバウンド幅拡大

 株価は、公開価格1600円に対して2511円で初値をつけ即ストップ高して上場来高値3015円まで買い進まれたものの、年明け後には世界同時株安の乱気流に巻き込まれて上場来安値1215円に突っ込み、新宿レンタルオフィス増床とともに公開価格割れは下げ過ぎとして底上げに転じてきた。まず公開価格抜けを目指し、さらに初値奪回に向けリバウンド幅を拡大しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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